■ まえがき(全文公開中)
大学四年生の時、初めて訪れたカンボジア。地雷除去現場の張りつめた空気、地雷被害者のうつろな表情……。そこで、紛争がもたらす、さまざまな現実を目の当たりにしたのです。本やネットでは知っていた「地雷」という社会課題。それが、人々や社会に苦しみや悲しみをもたらしている様子に触れ、ある問いが心の中に生まれてきました。
「今、自分に何ができるのだろう」
この問いは、テラ・ルネッサンスというNGOを設立したり、地雷問題を伝える講演を始めるなど、今までやったことのないチャレンジに踏み出す時、いつも、僕を支えてくれた気がします。
できないことを悔やむのではなく、現在の自分にできることを評価して、そのできることを真剣に行えばいいんだ。自分にできないことではなく、まずは、できることからでいいんだと思うと、心がふと軽くなるのです。だから、いろいろなチャレンジを行うことができたのだと思います。
まさに、平和をつくる仕事とは、特定の職業のことではなく、一人ひとりが世界や地域、家庭、ひいては自分自身の人生に起こる、さまざまな「課題」に対して、「今、自分に何ができるのだろう」と、自分自身に問いかけ、それに行動で応えていく。そのことを指すのだと、考えています。
なぜ、そう思えるのか。NGOを設立し、各地で紛争や災害で苦しみを抱えた人々の支援や、国内での講演を続ける中で、それぞれが抱えた課題に、真摯に向き合い、常に改善を試みている人たちが、家族や地域、周囲の人々をも、よりよく変えていく。そんなプロセスを、何度も見てきたからです。
この本では、僕が取り組んでいる地雷や子ども兵といった紛争によっておこる悲しい現実、そして、それらの課題を生み出している背景にも触れています。地球規模の社会課題です。これらの課題は、あまりにも大きな課題で、日本の平和な日常に暮らす僕らに、何かできることなんてあるんだろうかと、読み進めながら、あなたは思うかもしれ ません。
そんな時に、この問いを思い出してください。
「今、自分に何ができるのだろう」
大きな課題だったとしても、小さな自分にも、その課題解決に向けてささやかな取り組みを始めることができます。自分の中にある体験や知識、そして「生きる」というチャレンジを続けてきた勇気に焦点を当ててみると、できることはたくさん見えてくるのです。
この本は、そんな読み方をしてもらえると、嬉しいです。すべての人が平和をつくる人であり、すべての人が誰かや社会のために役立ちたいという気持ちを持って、生まれてきたと信じたい僕にとって、この本を読むあなたも、大切な仲間だから。あなたの心に、平和を目指して、一歩を踏み出す勇気が、育まれることを願って。
■ 目次
【 まえがき 】
【 第一章 】「平和をつくる」を仕事にする
【 第二章 】子ども兵を知っていますか?
【 第三章 】子ども兵を生み出す事は私たちに関係がある
【 第四章 】僕たちは微力かもしれない、でも無力ではない
【 第五章 】必ず世界は変わる
【 あとがき 】
■ 著者プロフィール
認定NPO法人テラ・ルネッサンス理事・創設者。1979年、福岡県生まれ。立命館大学法学部卒。高校在学中にアリヤラトネ博士(サルボダヤ運動創始者/スリランカ)と出逢い、『すべての人に未来をつくりだす能力がある』と教えられる。2001年、初めてカンボジアを訪れ、地雷被害の現状を知り、「すべての活動はまず『伝える』ことから」と講演活動を始める。同年10月、大学在学中に「全ての生命が安心して生活できる社会の実現」をめざす「テラ・ルネッサンス」設立。2002年、(社)日本青年会議所人 間力大賞受賞。地雷、子ども兵や平和問題を伝える講演活動は、学校、企業、行政などで 年100回以上。遠い国の話を身近に感じさせ、一人ひとりに未来をつくる能力があると訴えかける講演に共感が広がっている。
■ 著書
『ぼくは13 歳 職業、兵士』 合同出版 2005年
『こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した』 こう書房 2008年
『僕が学んだゼロから始める世界の変え方』 扶桑社 2014年
■ 主な講演先
人事院、総務省、茨城県庁、長野県庁、沖縄県庁、熊本県庁、佐賀県庁、新潟県庁、熊本市役所、松本市役所などの官庁、TBSテレビ、オムロン(株)、西日本旅客鉄道、(株)日本IBM、(株)リンガーハット、(株)京都新聞社、伊那食品工業(株)、川越胃腸病院、(独法)国際協力機構、日本郵政グループ労働組合、倫理研究所、モラロジー研究所、各地の青年会議所、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、小・中・高等学校、大学、NPO など多数
■ 初回限定・Web購入特典つき(スペシャル動画『NGO活動に大切な3つの約束』)
【UPDATE】2018年5月1日 初回限定特典は4月30日をもって、終了いたしました。予めご了承ください。
「平和をつくるを仕事にする」と決め、テラ・ルネッサンスを設立して17年。その間に、カンボジアでの地雷除去支援から、ラオスの不発弾処理支援、アフリカ3カ国での元子ども兵や紛争被害者の自立支援と、テラ・ルネッサンスは、活動領域を広げていきました。
世界平和を目指す活動を続けるために、人財、資金と欠かせないものがたくさんあります。どうやって、鬼丸昌也が活動を続けてきたのか。それには、彼が大切にしてきた「3つ」の約束があるのです。
その3つの約束を、テラ・ルネッサンスを設立する契機となった、カンボジアで語りました。きっと、国際協力に関わりたい方だけではなく、何か平和のために行動を始めたい、続けたいと思っている人へのヒントになるかもしれません。
この機会にぜひ、ご購入ください。
特典期間 |
2018年4月30日(月)まで |
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対 象 |
テラ・ルネッサンス公式物販サイトからご購入いただいた方 |
動画配信 |
2018年4月2日(月)以降順次 ※撮影・編集の都合により配信予定日が変更される場合があります。予めご了承ください。 ご購入いただいた際のメールアドレスにご連絡いたします。 |
購入方法 |
※販売専用サイトでは、1冊購入用、5冊セット、10冊セットの3パターンを用意しています。
50冊を超えるご注文は別途お問い合わせからご連絡ください。50冊を超えるご注文は送料無料となります。