【コンゴ】紛争で家族を失った女性たちが町の復興を支える
【アフリカレポート/2019年3月_Topic02】
紛争で家や家族、親戚を失ってしまった人たちは、外部からの援助物資だけに頼って生きていると思っている人がいるかもしれません。
しかし、実際には難民であっても、国内避難民であっても、働く意思を持ち、貧しいながらも家族を支えようとする人たちは少なくありません。少なくとも誰しもがその可能性と潜在的な力を持っています。
ここ、コンゴで、一人でも多くの方々が、その力を発揮できることを願って、昨年9月から、国連開発計画(UNDP)と協力して、紛争で家族を亡くしたり、避難民となった女性たち100名(25名×4グループ)を対象に、パイナップルジュース作りの技術訓練を始めました。
そして、彼女たちは技術を身につけ、パイナップルジュースの製品化に成功し、販売システムを構築することもできました。引き続き、販促支援や法的支援は必要ですが、すでに、市内有数のホテルやレストランでも販売されるようになっています。
お客さんの評判も好評で、あるホテルのオーナーからは、「レストランでの飲み物の売り上げが上がった」と言って、お礼を言われました。
コンゴでは、貧富の格差が極端に大きく、女性に対する暴力や社会的地位の低さは(私の知る限り)世界最悪です。そんな中、最貧困層で、しかも夫を亡くしたり、避難生活を強いられたりしている彼女たちの新しいビジネスを地元のビジネスマンも認め、地元産パイナップルジュースが人々の喉を潤しています。
今年度の目標は、彼女たちが生産したジュースを、他の貧しい人たちや紛争被害者が小売りして収入が得られる仕組みを作っていくことです。
援助物資を受け取るだけの存在として扱われがちだった彼女たちが、町の復興を担う主体として、活躍していくことを願って、ネクストゴールに向けて、頑張っていきたいと思います。
簡単な道のりではありませんが、一人ひとりに内在する可能性を信じて、一人でも多くの方々の自立をこれからもサポートしていきたいと思います。
引き続き、現地での活動を日本から応援して頂けるよう心からお願い申し上げます。
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記事執筆/
コンゴ民主共和国 カナンガ事務所
小川真吾