【夏季募金2019キャンペーン企画】『夢中になれたこと。 vol.4』
大家族に支えるために
この企画ではキャンペーンのメインメッセージである
「気がつけば、私に夢中。」にちなみ、アジア・アフリカの一人ひとりが
支援を受けてどのように変化したのか、何に喜びを感じているのかを連載しています。
今回お話を聞いたのは、南スーダン難民のケビンさん(仮名)、27歳。
彼女は、交通事故による障害で働くことができない夫と、9人の子ども(うち5人は親戚の子ども)と暮らしています。
元々は南スーダンで農民として、平和な暮らしを送っていました。食べる物が不足して苦しむ事もなかったといいます。「南スーダンと聞くと『紛争や飢餓』のイメージがあるかもしれませんが、困ったときには遠慮なく近所の人たちと助け合える文化があって、私はそれがとても好きなんです」と彼女自身も話していました。
そう話すケビンさんとその家族は、2012年に南スーダンで紛争が始まったことをきっかけに、2016年、ウガンダへ難民として避難してきました。
ウガンダに逃れてからは、別の団体が行っている食糧配布の支援を受けていましたが、それだけでは十分とは言えませんでした。9人もの子どもたちを育てなければならず、また夫も障害を抱えているため、働くことができません。彼女自身が大黒柱となって、家族を支える必要がありました。
そこで、収入源となる洋裁の技術を身につけるために、彼女はテラ・ルネッサンスでの自立支援を選びました。
「子どもには、不自由なく自分の人生を送ってほしい」
支援プログラム参加前には全く収入がなかった彼女でしたが、今では、訓練で培った洋裁の技術を活かして1500円/月も稼ぐことができるようになりました。このお金で(修学年齢にある)8人の子どもの学費を支払うこともできています。
また、テラ・ルネッサンスでの訓練中、印象的だったことを尋ねると「技術訓練以外のサポートが手厚かったことに、大変感謝している」と答えていました。医療を無料で受けられるサポート、施設での給食や食料クーポンの配布を受けて、訓練に集中することができたそうです。
「多くの南スーダン難民は仕事がなく、貧困に喘いでいる状況にあるので、神が与えて下さったこのチャンスを絶対にものにするんだ。子どもを幸せにするんだ。」
という想いで、一生懸命、訓練に取り組んでいたと言います。
そんな彼女のこれからの目標は、コツコツとお金を貯めて、今営んでいる洋裁ビジネスを大規模なものにして、9人の子どもを全員大学にまで行かせることです。「子どもには、不自由なく自分の人生を送ってほしい」という願いが、現在の彼女を突き動かしています。
難民となった当初は1円も稼げなかった彼女が、今では訓練で培った技術を活かして、子どもたち全員を学校に通わせることができるほどの収入を得ることができています。そして、最後には、こんな風に語ってくれました。
「私を支えて下さった日本のみなさんには感謝してもしきれません。あなたがたのサポートなしに、私の人生がこんなに大きく変わることはなかったでしょう。」
テラ・ルネッサンスでは現在、ケビンさんのように、目標に向かって一生懸命になっているアジア・アフリカの一人ひとりをサポートしていくために、現在活動資金が不足している状況です。
そのため、「夏季募金キャンペーン」の呼びかけを行っています。この夏、あなたからのご支援が必要です。夏季募金へのご協力、よろしくお願い申し上げます。
<夏季募金キャンペーンについて詳しくはこちらをご覧下さい>
https://www.terra-r.jp/kakibokin2019.html
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記事執筆/
啓発事業部・インターン
田畑 勇樹