【夏季募金2019キャンペーン企画】『夢中になれたこと。vol.6』
貧困―負のサイクルから抜け出す力
この企画ではキャンペーンのメインメッセージである「気がつけば、私に夢中。」にちなみ、アジア・アフリカの一人ひとりが支援を受けてどのように変化したのか、何に喜びを感じているのかを連載しています。
今回お話を聞いたのは、ブルンジ・シングルマザーのエメリンさん(仮名)、34歳。母親と、2人の子どものうちの1人と暮らしています。支援を受ける前は売春で収入を得ることもあったというエメリンさんがテラ・ルネッサンスで洋裁の訓練を受けることを決めたのは、ミシンがあれば家でも仕事ができるようになると考えたからです。訓練生に選ばれたときのことは今でもとても印象に残っていて、彼女の母親も訓練に参加することを応援してくれました。
訓練に参加してからは、洋裁クラスのリーダーとして活躍してきた彼女。「努力することで、将来子どもや自分自身の生活を自らが支えることができる」という想いで、一生懸命に訓練に取り組み、最終試験では一番の成績を修めることができました。
そして、ブラウスやスカート、ドレスなど、たくさんの知識をつけた彼女は今、ブルンジにあるムワロ県というところでグループビジネスをしています。収入も得られるようになり、子どもをサポートするための費用を家族に送ることができるようになりました。家族も、彼女が家族をサポートしてくれることを喜んでくれています。
また、彼女の変化は知識や収入の面だけではありません。振る舞いも変わりました。訓練を受ける前に家にいた頃は、売春をしていた彼女でしたが、収入を得ることができるようになった今では、以前とは心持ちが変わり、自ら売春を断ることができています。「貧困のために売春を続けていくことは良くないことだ」と彼女は言います。
お客さん不足などの困難にぶつかりながらも、地道に努力を重ねているエメリンさん。彼女の目標は、子どもや自分自身のための土地を手に入れること、そしてこの先も洋裁を続けていくことだといいます。
私たちはこれからも、目標に向かい「夢中」で進んでいく彼女や、彼女のような方々の力になり続けたいと考えています。テラ・ルネッサンスでは現在、「夏季募金キャンペーン」の呼びかけを行っています。アジア・アフリカの一人ひとりをサポートしていくために、この夏、皆さまからのご支援が必要です。夏季募金へのご協力、よろしくお願い申し上げます。
<夏季募金キャンペーンについて詳しくはこちらをご覧下さい>
https://www.terra-r.jp/kakibokin2019.html
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記事執筆/
啓発事業部・インターン
渡邊有衣