【カンボジア】「村人たちの生活に必要な水を確保するために」
【アジアレポート/2019年7月_Topic03】
カンボジアのバッタンバン州にあるロカブッス村の小学校の土地を利用したモデル・ファームのご支援をいただいている株式会社リタワークスさまから3名の社員の皆様に、7月11日、12日にご訪問いただきました。
株式会社リタワークスさまからは特にモデル・ファームを建設するのに必要不可欠だったため池を掘るための資金をご提供いただきました。
ただ、このため池の掘削でも最初から大きな問題がありました。農業の専門家によれば40mx40mぐらいのため池を掘りたいとのことでしたが、限られた予算のなかでは、8mx8mぐらいのため池しか掘れない状況でした。
しかし、とりあえず水がなければ村人の生活、家畜飼育や野菜栽培も始められないため、最初は小さなため池を掘ることで、業者に依頼しました。
業者も小さなため池だけを掘るだけでは、移動してくる費用などを考えると、採算に合いません。そこで、掘った土を家や土地を盛り上げるために購入する人たちに販売し始めました。
土を販売するためには、さらにため池を掘らなければなりません。そこで、どんどんため池は大きくなり、最終的に深さ4.5m、40m四方のため池が完成しました。
【家の向こうのため池から水をくみ、茄子や唐辛子、空芯菜へ水やりをするモデル農家ソックーンさんの世帯】
このため池を利用して、昨年から家や土地がなかった最貧困層の2世帯がモデル・ファームで作物を栽培し、生活に必要な水も確保できるようになりました。その2世帯は、家畜銀行からのアヒルや豚も借りて、飼育していますが、家畜の飼育にも水は不可欠です。
ため池からソーラーパネルの電力を利用してポンプでため池の上の水がめに一旦水をくみ上げ、あとは高低差を利用して、モデルファームに敷設したパイプを伝って、栓を開ければ水が流れます。
ロカブッス村では、昨年野菜を栽培できなかったサウさんも、また野菜の栽培を再開してくれました。まだ雨が降ったり、降らなかったりと不安定な天候ですが、家の後ろのため池をさらに拡大し、水を確保していました。ため池により野菜や家畜、そして村人たちも生活ができるようになっている状況を見ていただくことができました。
わざわざ支援先までご訪問してくださった株式会社リタワークスの社員の皆様、ありがとうございました。
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記事執筆/
アジア事業部
江角 泰