【カンボジア】村人たちへの鶏飼育再訓練実施 〜死んでしまう鶏を蘇らせる方法
【アジアレポート/2019年10月_Topic02】
10月23日、村落開発支援でサポートしているプレア・プット村とロカブッス村の村人たち15名に、鶏飼育の再訓練を実施しました。
昨年発酵液を共同で製作して以来、ロカブッス村とプレア・プット村の鶏銀行から貸し出された鶏は順調に飼育されてきました。
しかし、9月に多くの鶏が病気にかかり、次々と死亡。病気が発生した時の治療方法が分かっていない村人たちが多いことが分かり、再訓練を実施することにしました。
【再訓練を受けるために集まったロカブッス村とプレア・プット村の村人たち】
【カンボジアの薬草を使った発酵液を作る村人たち】
JICA草の根パートナー事業でも訓練を受け、家畜銀行か貸し出された5羽の鶏を140羽まで増やしたメイ・ソーンさん。
今回は、メイ・ソーンさんに訓練されたことを実践することで流行した病気にも対応し、210ドルの収入を得た経験を実際に話ししてもらいました。
村人たちの鶏飼育への関心は非常に高く、病気に対処するためにどうしたらいいのか、熱心に質問を投げかけていました。
「発酵液を与えること、日光に当てること。訓練で教えてもらった基本の全てが重要で、どれが一番とかの順番があるわけではない」と答えるメイ・ソーンさん。
「ただ、訓練で教わったことを実践していれば、死んだりはしない。私の家でも、年に何度も病気が発生するけれども、きちんと発酵液をあげれば、治療できる」と自信に満ち溢れた様子で話をしてくれました。
訓練をしたフィールド事務所で、1週間前から病気になっていた鶏(サンプルの鶏)を治療せず、この訓練のために残しておきました。
「この鶏は死んでしまう」と言多くの参加者。しかし、メイ・ソーンさんや農業の専門家は、「確実に治療できる」と言います。治療方法であるカンボジアの薬草の発酵液をどう与えるのか、デモンストレーションしてみせていました。
午後からはみんなで発酵液を、さらには鶏を飼育している場所で発生する病原体対処のための散布用発酵液の作り方も、追加で訓練をしました。
人たちを村へ送って行く途中、JICA草の根パートナー事業で支援している地雷被害者のドル・キエンさんの家を訪問しました。
ドル・キエンさんは、1年目ヤギを飼育していましたが、車椅子でヤギの飼育をするのが難しいことから2年目からは鶏飼育を始めました。
すでに80羽を販売し325ドルの収入を鶏飼育で得たドル・キエンさん。病気にはワクチンなどを打つよりも薬草の発酵液が一番効くといいます。
ロカブッス村、プレア・プット村の村人たちも、鶏飼育の状況を見て驚くとともに、キエンさんにたくさんの質問を投げかけていました。鶏飼育の世話は大変ですが、村人たちの食にも、収入にもなります。
ぜひ飼育技術を身につけて成功するまで挑戦して欲しいと思います。
…………………………………………
記事執筆/
アジア事業部
江角 泰