【冬季募金2019キャンペーン企画】【私が見てきたテラ・ルネッサンス vol.1】
受益者から洋裁講師に
ウガンダ・グル事務所の職員ジョセフさんにインタビューを行いました。
今回の冬季キャンペーンでは、海外事務所で働く現地人スタッフにインタビューを行い、テラ・ルネッサンスとの出会いやテラ・ルネッサンスが社会に与えるインパクト等を話してもらいました。
ーーーーこんにちは。自己紹介をお願いします。
こんにちは。ジョセフです。今はテラ・ルネッサンスで洋裁講師をしています。テラ・ルネッサンスとは別にキオスク(小売店)も経営しています。
ーーーどのような経緯でテラ・ルネッサンスで働くようになりましたか?
もともとテラ・ルネッサンスの受益者(元子ども兵)で訓練を終え、町で洋裁店を開業して働いていました。
2012年のある日、事務所長のジミーから電話がかかってきて、「洋裁講師としてテラ・ルネッサンスに力を貸してくれないか」とオファーをもらったことをきっかけに洋裁講師としてテラ・ルネッサンスに戻ってくることになりました。
日本から訪問者が来たらいつも服の作成をお願いされていたので、自分の洋裁の腕には自信がありました。(石原さとみさんの服を作成したこともあります)
その後現在まで、7年間にわたって講師を務めています。
ーーーテラルネの職員として働きはじめるとき、どのような気持ちでしたか。
最初は不安な気持ちが大きかったです。大勢の人の前で教える立場を経験したことがなかったし、簡単なことではないと思っていましたが、4か月くらい経って、だんだん人に技術を伝えることがうまくできるようになってきました。
自分が洋裁師になって経済的に自立することができたのはテラ・ルネッサンスのおかげだったので、①自分が学んだ洋裁の技術、②平和教育でジミーから教わった人との接し方を伝えていきたいと思っていました。
ーーーテラルネは地域や受益者にどのような影響を与えていると思いますか?
テラ・ルネッサンスは受益者に対して、大きなインパクトを与えていると思います。なぜならここで学んでいる多くの生徒は元子ども兵で紛争を経験しています。
はじめはテラ・ルネッサンスに来てもらうのもとても難しい状況の人も多く、家族をなくしていたり、個人の精神状態からして訓練に取り組む気持ちになれなかったりする人もいるんです。
多くの人がお金を稼ぐことができず、貧しい状況にあります。
ただテラ・ルネッサンスでの訓練を通して、多くの人が洋裁師として成功し、収入を得ています。子どもの学費を払えるようになったり、食料を自分で買えるようになったり、テラ・ルネッサンスの与える影響は大きいと思います。
例えば自分が教えた生徒では、マイケル (アジュマニの自立支援の洋裁講師)、デニルソン(アジュマニの服飾デザイン非常勤講師) が今や、次の受益者に技術を伝える講師になっています。
私が洋裁技術を教えた後も、自分たちで勉強してどんどんレベルアップしているのがわかります。
ーーーテラ・ルネッサンスのスタッフとして、今後のあなたの課題は何ですか?
スタッフ同士でのコミュニケーションもできているし、特に大きな課題はないと思います。
ただ課題があるとするなら、生徒一人ひとり習得のスピードが違うことを理解してあげなければならないことです。
黒板に書いたことをすぐに実践できる人もいれば、そうでない人もいます。
だから私は一人ひとりに寄り添い、ゆっくり指導しているし、放課後に個別で伝えるような工夫もしています。
自分の仕事は、受益者を優秀な洋裁師にすること。また、それだけではいけなくて、人としても自立してコミュニティで何でもできるような心を育むこと、それを今の目標にしています。
現在、テラ・ルネッサンスは冬季キャンペーンを行っております。
冬季募金でお寄せいただいたご寄付は、紛争被害を乗り越え、自立の支援を必要としているアジア・アフリカをはじめとする人々、テラ・ルネッサンスのすべての事業で、大切に活用させていただきます。多くのみなさまのお力添えを心よりお願い申し上げます。