【冬季募金2019キャンペーン企画】【私が見てきたテラ・ルネッサンス vol.3】
カンボジア事務所の職員クン・チャイさんにインタビューを行いました。
今回の冬季キャンペーンでは、海外事務所で働く現地人スタッフにインタビューを行い、テラ・ルネッサンスとの出会いやテラ・ルネッサンスが社会に与えるインパクト等を話してもらいました。
ーーーーーこんにちは。自己紹介をお願いします。
こんにちは、クン・チャイです。
テラ・ルネッサンスのプロジェクト・コーディネーターとして、現在、事業の実施、ベースライン、モニタリング、フォローアップなどの調査、経理、総務、政府関係機関との渉外、村人たちとのコミュニケーション、プロジェクト・マネージャーの補助などをしています。
ーーーテラ・ルネッサンスの出会いはどのようなものでしたか。
2005年にテラ・ルネッサンスに初めて会いました。その時は、内戦で被害を受けた障害者の除隊兵士の社会復帰支援をしていた日本のNGO:インターバンドのプロジェクト・マネージャーをしていました。
2005年にテラ・ルネッサンスとインターバンドで、カンボジアのバッタンバン州で協力して除隊兵士の社会復帰支援をを実施しました。2006年にインターバンドがカンボジアでの事業を終了したため、2006年からテラ・ルネッサンスのプロジェクト・コーディネーターとして現在まで働いています。
ーーーーテラ・ルネッサンスの第一印象はどうでしたか?
最初にテラ・ルネッサンスに出会った時、まずその目的、ミッション、活動理念が素晴らしいと思い、私自身の考えと一致していると思いました。そして、貧困層のコミュニティを支援し、変化を生み出し、村人たちの生活を一緒に向上させたいと思いました。私は、これらの活動を通じて、平和をつくることができると思っています。
ーーーーテラルネは地域や受益者にどのような影響を与えていると思いますか?
ロカブッス村では、自立と自治の支援をしています。これまでに揚水ポンプを使って、自分たちで水を水路にあげたり、水の管理をできるようになりました。
家畜銀行を設立し、牛、やぎ、鶏、アヒル、豚を貸し出し、現地の薬草を使って、発酵液を作成し、オーガニックの家畜飼育方法を訓練することで、村のなかで収入が得られる世帯が増えてきました。
それによって、今までトランプをしたり、お酒を飲んだり、村で何かをするアイデアのなかった村人たちが、村にいて、村にあるものを利用して収入を得ていくことができるようになり、自立した生活へと変化させています。
また、これまで日雇い労働やタイへの出稼ぎでしか収入を得られなかった人たちが、出稼ぎにいく必要がなくなり、村にいて収入を得ていくことができるようになりました。
特に家や土地を持たなかった最貧困層のサルートさんとクーンさんの2世帯へは、ロカブッス村の小学校の敷地にモデルファームを建設し、小さな家をサポートし、有機野菜栽培をしながら、サルートさんは家畜銀行からアヒルを借りて、クーンさんは豚を借りて飼育しています。サルートさんは、すでに借りたアヒルを返却し、収入を得られるようになりました。
また有機野菜も毎日少しずつ販売し、収入を得ることができるようになっています。クーンさんも、有機栽培で茄子や唐辛子を収穫し、村で売り歩いて、収入を得ています。豚も9月に13頭の子豚が生まれました。あと1ヶ月ほどで販売できるようになります。
サルートさんとクーンさんの子どもたちは、村で生活ができることで、子どもたちを学校へ通わせることができています。
まだ村では多くの村人たちが、タイへ長期間出稼ぎに行っており、子どもたちも多くが児童労働に従事して、家計を助けています。
タイへ長期間出稼ぎに行かなければならない貧困層や小学校の高学年になれば、学校をドロップアウトし、児童労働で家計を助けるために働かなければならない子どもたちの世帯が、サルートさんやクーンさんの世帯のように村で収入を得ることができ、子どもたちが学校で教育を受けられるように支援を広めていきたいと思います。
ーーーーテラ・ルネッサンスのスタッフとしての今後のあなたの課題は何ですか?
村人たちの状況に合わせて、自分たちの方法を変化させ、村人たちが持つ力を発揮できるようにすることです。村人たちが、活動をしていくなかで問題を抱えた時にどのように迅速に対応していけるか、例えば家畜が病気になった時に、治療方法や解決方法をチームとしてどのように迅速に対応していけるかを考えています。
そして、まだ家畜銀行の貸し出しを受けられていない世帯へ、返却された家畜を貸し出し、さらに拡大していきたいと考えています。