【テラルネのデザイナー小田が、冬季募金にかける想いとは?】【冬季募金2019キャンペーン企画】
日頃、支援者の方々に届けられるチラシ、活動報告など、制作物のデザインはほぼ、京都事務局の啓発事業部長でもある小田が手がけています。
今回は、「デザインの力を平和のために発揮したい」という想いをもつ小田が、冬季募金に対してどのように取り組んでいるか、どのような想いでテラルネの制作物をデザインしているかをインタビューしてきました。何気なく手にしているテラルネの広報物の裏側が見えるかもしれません!ぜひ、ご一読ください。
今回の冬季募金はテラルネにとって、”挑戦・変化”の年。
ーー「今回の冬季募金は「私の”想う”が続く」がキャッチコピーですが、これにはどのような想いが込められていますか」
「ここに限らずすべてのコピーライティングに言えることですが、情報の出し手であるテラルネと、それを受け取る支援者さんの感覚を『行き来する』ということを意識しています。写真にうつるアジア・アフリカの人々の想いを想像すると同時に、読み手である自分自身にもその想いを重ね合わせます。
なので、『私の“想う”が続く』というキャッチコピーを見た支援者の方々は、紛争被害に遭った女性たちの自立に向けた様々な“想い”が今後も続いてほしいと想像すると同時に、読み手である自分自身が大事にしたい平和への願いや、国際貢献を続けたいという想いがあることにも気づくかもしれません。
受益者に向けられた言葉のようでいて、実は、“私はどうしたいのか”ということが、情報の受け手である私たちにも向けられている。そのように、情報の出し手と受け手の感覚を行き来するような言葉が、ひとの行動を促すために大事なことだと考えています。」
ーー「なるほど、そうした支援者の方に向けた目線の考えでいうと、今回は、初の試みとしてご支援いただく方の過去の支援実績にもとづいて、それぞれに適した寄付のお願いをする『セグメント分け』という方法を用いていますよね。その形式にした背景を教えてください。」
「もともと、支援者さん一人ひとりが寄付をする理由やきっかけが異なるなかで、一人ひとりにかけるべき言葉や、示すべき態度は、それぞれに異なるはずだと感じていました。それにも関わらず、これまではどうしても手が回らず、寄付をお願いするチラシはすべて同じものを送ってたんです。
一人ひとりに適した言葉をかけたり、その態度を示したいのですが、物理的に難しいこともあり、今回は過去の支援の傾向から三つのパターンに分け、ふるさと納税や郵便振り込みなど支援の方法が異なったその人に適した寄付のチラシを送らせていただきました。」
ーー「そうだったんですね、手ごたえはいかがですか?」
「ありますね。ふるさと納税も一般的な郵便振り込みの寄付も、ありがたいことに去年と比べて増えていますし、私たちからのメッセージが適切に届いているのではないかなと思います。」
ーー「今回は、特にアフリカで活動する理事長の小川さんからのお手紙がとても印象的でした。それはどのような背景から生まれたのですか?」
「今回の冬季募金は目標金額が2,000万円という、これまでに例をみない大きな金額のファンドレイジング(資金調達)に挑戦しています。なので、いつものやり方ではその目標を達成することができないのではないか、という危機感がありました。
デザイナー、または啓発事業部長としての立場からいうと、これまでと違ったアプローチが必要だと考えたんです。どうやったら私たちの本気度合を伝えることができるかを考えたときに、“手紙”というアイデアを思いつきました。
パッと見たときの印象として、遠いアフリカのコンゴで活動する小川から手紙と写真が届く。コンゴで紛争被害を受けた女性たちがどのように自立に向けて励んでいるかを知る。そのように距離感が近づいていくようなメッセージを届けることによって「応援したいな」と感じてもらえるのではないかと考えました。」
【デザイナーとしての自分】
ーーデザイナーとしてテラルネに関わる中で、制作物をデザインするうえで、特に意識している点はどんなことですか?
「テラルネの理念や哲学を、きちんと表現するということです。ありもしないことを表現しようとは思わないし、もちろん嘘や誇大広告もしません。デザインする対象がもつ本質や魅力がしっかり伝わるということが大切で、その本質さえ表現できれば、きっと見ている人に届くものがあると思っています。
また、テラルネの広報物は、泣いている写真や苦しんでいる写真、いわゆる悲惨な状況を写し出すネガティブな広報は、どちらかというと少ないです。その方法自体を良いとか悪いとかというつもりもなく、必要に応じて必要な態度を取らなければいけないときもあると思っています。一般的には、そうしたネガティブな要素をもった広報物の方が、寄付が集まりやすい傾向にあるのも事実です。
ですが、基本的にテラルネはそうした手法は取っていません。私たちは、今回の「私の“想う”が続く」のように、受益者の方と、ご支援いただく一人ひとりの支援者の方と一緒に成長しその未来を築いていきたい。そうした実現したい未来を、キャッチコピーや写真を用いて表現しようとしています。
それは、テラルネが今まで築き上げてきた理念や哲学に裏打ちされた考え方です。それらをきちんと伝えていくことが、受益者の方だけでなく、支援者さんにとっても、大切にしたい価値観への気づきになればと思います。」
【冬季募金キャンペーンご参加のお願い】
何気ない広報物も、さまざまな考えのもと作られているのだとあらためて知ることができました。楽しそうに自らの仕事について語る小田さん。聞いてみると、自分がデザインしたことが、寄付や支援という形で返ってくることで、テラルネで働くことの意味や目的を感じることができるのだそうです。世界平和を志すプロのデザイナーとしての仕事ぶりを見れた気がします。
アジア・アフリカなどの自立支援に向けた現地の活動だけでなく、こうした日本での活動がテラルネの目指す世界平和には欠かせないものですね。
テラ・ルネッサンスでは、元子ども兵や紛争被害に遭った方々、地雷やクラスター爆弾の被害により体や心に深い傷を負った方々が社会復帰できるよう、自立支援を行っています。
また、コンゴ民主共和国では、事務所を設立して10年が経ち、昨年は支援を届けた50人の女性たちが洋裁技術によって収入を得られるようになったり、自分たちの洋裁のお店を持てるようになったりしました。
今後も継続して支援を行い、なんとか一人でも多くの方々に支援を届けたいと思っています。
▼キャンペーンの詳細はこちら▼
https://www.terra-r.jp/tokibokin2019.html
ぜひ、この機会に寄付を通して、より多くの方の自立支援を支えるお手伝いを一緒にしていただけないでしょうか。
冬季募金キャンペーンへのご参加を、心よりお願い申し上げます。
文責:啓発事業部インターン 奥田彩花