【冬季募金2019キャンペーン企画】【ブルンジでの歩み】
ブルンジでの7年の活動をふりかえって...
当会では2013年からブルンジでの活動を行ってきました。
ブルンジでは1972年には20万人が数か月のうちに殺害されるジェノサイドが発生し、1988年にも5万人の民間人が殺害されています。1993年からの紛争でも30万人の命が犠牲になりました。
この紛争はあまり知られていませんが、内戦中には1万4千人もの子どもが子ども兵として戦わされ、今もその傷跡が社会に影響を与えています。
今回はブルンジで行われてきたプロジェクトを振り返ります。
2013年 元子ども兵及び紛争被害自立支援センター住民参加型建設
ブルンジで活動を始めるにあたって、元子ども兵及び紛争被害自立支援センターを建設しました。事前調査などに協力してくれていたパートナー団体(CEDAC)と協力して、事業を開始することになりました。
事前調査に協力してくれたCEDAC代表のエリック氏は、自身も元子ども兵であり、現在のNGOを立ち上げてから同じ境遇の元子ども兵の自立支援に力を入れてきました。
「明確なビジョンを持つこと、一人ひとりが持つ力や可能性を最大限に活かすこと」が彼のモットーで、テラ・ルネッサンスの理念と共鳴したことが協働をすることになった大きな理由でした。
事前調査から「ブルンジの人々の可能性とチカラを信じて、一人ひとりが自らの力で収入を得て、自立していけるようなプロジェクト」が必要だと考え、紛争被害の最も激しく、現在も孤児や元子ども兵、最貧困層が多く暮らすムランビヤ県で自立支援のための施設を建設しました。
施設建設には、地元住民の人々にも関わってもらい、無償で労働力を提供してくれた人たちも多くいます。その作業員の多くが、「この施設建設は、私たちの未来を作るために大切なものであり、未来への投資である」という力強いコメントをしてくれました。
2014年 洪水被害者に対する緊急支援活動
2014年2月にブルンジで大規模な洪水が発生しました。この洪水により3800戸の家屋が倒壊、1万2千人もの人々が避難を余儀なくされました。
最も被害の激しかった首都ブジュンブラ北部のキナマ行政区では601 戸の家屋が破壊され、そのうち308 戸は全壊し、1010 世帯、5555 名の方が被災しました。
同地区に設置された避難民キャンプでは、乳幼児を含む多数の人々が劣悪な環境下で避難生活を強いられ、安全な水や食料の不足に加え、衛生状況を改善するための物資が不足している状況にありました。
このような状況を鑑みて、テラ・ルネッサンスでは、CEDACと協力して、キナマ地区に設置されたキャンプ(67棟のテント)で暮らす避難民1000名以上を対象に、石 けん4824個と各テントに洗剤パック(2か月分)の緊急支援物資を供与しました。
2015年以降の受益者数の推移
2015年以降の受益者の数はグラフの通りです。
プロジェクトごとに色を分けています。
水色・オレンジ=紛争被害者及び貧困層住民の能力開発を通したレジリエンス向上
灰色=青少年育成パイロットプロジェクト
黄色=紛争被害者及び貧困層住民の能力開発を通したレジリエンス向上フェーズ2
青=農村部コミュニティにおける社会的弱者世帯の自立と自治支援PJ (2018年~)
緑=農村部コミュニティにおける社会的弱者世帯の自立と自治支援PJ (2019年~の新規受益者)
以下、各プロジェクトごとの詳細を紹介します。
2015年~ 青少年育成パイロットプロジェクト
対象地域の子どもたちへの伝統ダンス教室やサッカー教室を開くことで、地元の人が集まりやすい環境を提供しました。訪問者や催しの時に練習したダンスのパフォーマンスを披露する機会を提供してきました。
2015年~ レジリエンス向上プロジェクト
2015年からはレジリエンス向上プロジェクトでは最貧困層の方や紛争被害を受けた方を対象に養蜂・窯業・農作物の一次加工技術を支援してきました。現在フェーズ2では協同組合の設立にも力を入れています。
生産者協同組合を形成すると、より安定した収入を得られやすく、コストやリスクを共有できたり、あらゆるものを共有することで人々の結束を高めたり、と様々なメリットがあります。
また、この組合を政府に登記していることで政府に認知され、組合の会合に招待されたり、政府の人々が訪問してくることもあります。
2018年~ 社会的弱者世帯の自立と自治支援プロジェクト
また、2018年から社会的弱者世帯の自立と自治支援プロジェクトをはじめました。このプロジェクトでは養蜂・洋裁・ヘアドレッシングの技術訓練を行い、自治体をパートナーを組み、郡の所有地に施設を建設しました。
群における社会的弱者に対する公共サービスが向上するための土台が整ったとも言えます。技術訓練を10か月間行い、プロジェクトを開始した2018年には41人の受益者全員が試験に合格しました。
2013年に地元の住民の方と自立支援センターを建設して以降、皆様の温かいご支援のおかげでいくつものプロジェクトを実施し、受益者を増やしていくことができてきました。
テラ・ルネッサンスの活動に共感し、支えていただきましたこと、心から感謝申し上げます。今技術を学んでいる彼ら・彼女らも今後自分たちのビジネスを立ち上げていきます。
また、2019年からは国際移住機関と連携して帰還民や国内避難民の生計向上支援を行っています。帰還民や国内避難民の方の生活は非常に厳しく、食料援助の有無で明日の食事をとれるかが決まるような不安定な生活を送っています。
彼らが援助に依存せず、自分の力で生活していけるように皆様のお力を貸していただけないでしょうか。
現在、テラ・ルネッサンスでは冬季キャンペーンを通して、彼らが無事に訓練を修了し自立した生活を手に入れるため、みなさまの更なるお力添えをお願いしております。