【ラオス】ラオスの東洋ミツバチへの誘引剤の試験結果
【アジアレポート/2020年12月_Topic02】
2019年11月に京都先端科学大学の坂本教授と深見教授が設置してくださったラオスのシエンクアンの東洋ミツバチへの誘引剤の効果測定試験の結果を1ヶ月後、12月中旬に調査しました。
養蜂事業で対象としていたポンカム村、ムアン村、それぞれ5カ所ずつ、全10カ所に本物の誘引剤(A)と形状は全く同じ対照薬(B)の2つを50mほど離して設置していました。
もし捕獲できれば、また近くの巣箱に設置していき、1ヶ月間にそれぞれ何群捕獲できるかを調査します。結果は、非常に良好なものでした。
ポンカム村では、Aで12群が捕獲でき、Bで3群だけでした。ムアン村では、Aで13群捕獲でき、Bで6群の捕獲ができました。2村合計ではA:25群、B:9群の捕獲となり、大きな差となりました。
10カ所中、Aの方が多く捕獲できたのは7カ所、Bの方が多く捕獲できたのは0カ所、AとBで同数だった場所は3カ所(A、Bどちらも捕獲できなかった)となり、Aの誘引剤の効果が明確に現れました。
村人たちは、形状が全く同じAの方がたくさん捕獲できるのが不思議だったようです。Bの方はあまり捕獲できなかったため、調査の時に現地スタッフからBの対照薬は全く効果がないことを聞かされた村人たちは、理由を知って一緒に大笑いをしました。
【Aの誘引剤を使って6群、対照薬のBでも2群を捕獲したポンカム村の村長のシエンソウターさん】
前シーズンは捕獲できた群が少なかったポンカム村の村長、シエンソウターさんは、Aで6群も捕獲していました。Bでも2群を捕獲できており、とても喜んでいました。
前シーズンで、あまり捕獲ができなかった8世帯の村人たちも、このシエンソウターさんの結果から、年によって捕獲できるチャンスがあることが分かります。
また、ラオスでの誘引剤の試験によって、ラオスの東洋ミツバチにも坂本教授が開発された誘引剤が有効であることが確かめられ、東洋ミツバチの養蜂の可能性が広がりました。
自然の中に戻っていく群を巣箱に捕獲することで、養蜂がしやすくなります。実験に協力してくれた世帯以外の村人たちへも、誘引剤を2個ずつ(本物)を配布しました。
誘引剤によって巣箱に捕獲できる群を増やし、去年よりも多くの蜂蜜を収穫できることを願っています。そして、そのためにラオスの豊かな森を守っていってほしいと思います。
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記事執筆/
アジア事業部
江角 泰