【ブルンジ】互いの絆を強めるコミュニティワーク
【アフリカレポート/2020年1月_Topic02】
以前こちらの記事でご紹介したように、テラ・ルネッサンスはブルンジにて、ストリートチルドレンやシングルマザー、最貧困層の方達を対象に、養蜂・洋裁・ヘアドレッシング・養豚の技術訓練などを通した自立支援を行っています。
そんな対象者の方達の中には、様々な理由から家族との関係が良くない方もいます。村の担当者や近隣住民が仲介に入って家族との関係を良くするよう働きかけているものの、限界があるため、何かしらの方法で家族との仲を良い方向に持っていく必要がありました。
【グループで洋裁店を営む対象者たち】
また、グループでビジネスをしている彼らを見ていると、自分のことでいっぱいになり互いに協力することができていなかったり、信頼関係が築けずに上手くいかなかったりすることもあるため、ビジネス以外でも様々な活動も通して、互いのことを知って良い関係を築く必要性を感じました。
特に、良くも悪くも人々同士の繋がりの強さが大切なこの国で、対象者の社会的弱者世帯が家族や周囲の住民とのつながりを強化し、コミュニティで生活の基盤を整えることで、
コミュニティ内での住民同士の「つながり」が強化され、それによりあらゆるリスクに適応する「コミュニティのレジリエンス能力」を高めることにつながると考えています。
そういった背景から、この支援の目標には、収入を向上するだけではなく「周囲の人々との関係性を強化する」というものも含まれています。
ブルンジや周辺国のルワンダでは、「コミュニティワーク」と呼ばれる、住民が定期的に無償で地域のための清掃活動、道路整備、貧困層のための家の建設などを行う奉仕活動を政府が主導しています。
また、耕作シーズンになると、住民がグループ間でそれぞれの畑を回って一緒に耕す活動がなされることもあります。それを少し応用して、まずは支援対象者間で、各対象者の世帯が他の仲間に助けてほしい活動を提案して、お互いに助け合う活動を始めました。
アイディアの多くは耕作活動、屋根瓦の運搬、家の補修活動。
【屋根瓦を運ぶ参加者たち】
また、活動を終えた後に、「同じ釜の飯を食う」の文字通り、より参加者間での親睦を深めるため、対象世帯が昼食を作り、参加者で一緒に食事を取ることとしました。
当会からは、活動費(屋根瓦代など)、参加者の交通費、昼食代を補助し、活動は無償で行われました。
「私に使ったお金より、あの子に使ったお金の方が多い」などと、不公平さが文句・不和を生み出してしまうことがあるため、なるべく全員が平等に活動を出来るよう、工夫しました。
対象となった世帯からは、「屋根瓦の運搬など、一人でできないことが大勢ならできるから、助かった」との喜びの声が聞かれ、参加者からも「互いの家や家の状況を知ることが出来て良かった」といった声が聞かれました。
このように、様々な方向から、経済面でも社会面でも良い効果が得られるよう、引き続き活動を実施していきます。
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記事執筆/
アフリカ事業部/
古岡繭