【ブルンジ】学んだ技術を使った、コミュニティの人々への支援の恩送り
【アフリカレポート/2020年3月_Topic01】
テラ・ルネッサンスはブルンジ南部にて、タンザニアから帰還したブルンジ難民(帰還民)や国内避難民、彼らのコミュニティの人々を対象に、国際移住機関(IOM)と共に生計向上支援を行いました。
12月までにスキル訓練を実施・開業に必要なスタートアップキットを配布した後、新たに72名の対象者を受け入れ、合計210名と共に、短期間で実施されるクイックインパクトプロジェクトを実施しました。
この活動の目的は、以下の二つ。
(1) グループ間、コミュニティの人々との関係を強化する
(2) 訓練修了後に開業したビジネスの基盤を強化する
これら目的を達成するために、
- 公共の利益になること
- プロジェクト前半で習得したスキルを使って出来ること
- 労働の対価を支払うため、活動によって出来ること
といった条件内で出来ることをコミュニティで話してもらい、以下のような活動を実施しました。
家畜飼育グループに関しては、家畜飼育ビジネスをクイックインパクトプロジェクトに結びつけることが困難なため、土砂災害や冠水被害を受けている学校を対象に、防災に関わる活動を実施することにしました。
活動に必要な材料は全て当会が提供しますが、活動は全て対象者によってなされ、その対価を支払いました。加えて、この活動はビジネスを強化する目的でも実施されるため、支払われる労働の対価の60%は現金で支払い、40%は開業したグループの口座に送金し、グループの資本金として使用することにしました。
【写真:ヘアドレッシンググループによる、小学生のヘアカット】
【写真:レストラングループによる、脆弱な人々のための食事の調理】
短いグループで7日間、長いグループで20日間の活動を行い、結果的に、22,650人の人々がこれらの活動から裨益することが出来ました。
また、参加した対象者に、「この活動は、グループのメンバーやコミュニティの人々との関係の強化に役立ちましたか?」という問いには、89%の人々が、「はい」と回答しました。
対象者ばかり支援を受けると周りとの不和が生まれる可能性があるため、この活動は公共の利益になることが大事だと実施してきましたが、彼ら自身も、学んだ技術を使って、他の人々が裨益することが出来、コミュニティのために自分たちの手で何かが出来た、ということをとても誇りに思っていました。
【写真:石鹸製造グループが作った石鹸の提供】
この事業は3月20日に完了しましたが、ブルンジ国内では初めて国際機関と協働での事業の実施、新しい地域での挑戦、短期間での実施ともあり、私も現地スタッフも、てんやわんやになりながらの実施でしたが、最終的にこのような結果が得られて、良かったです。対象者数名にもインタビューを実施しているので、それもいつかご紹介します。
今も新型コロナウィルスの影響を受けていますが、ブルンジ事務所スタッフ一同、安全管理に努め、可能な範囲で出来ることをやっていきますので、引き続き、ご支援をどうぞよろしくお願いします。また、世界中にいらっしゃる皆さまのご健康とご安全を、お祈りしています。
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記事執筆/
アフリカ事業部/
古岡繭