ビジネス制限のしわ寄せが向かう先〜ウガンダ緊急支援の事例 〜【緊急支援プロジェクト】
ウガンダでは新型コロナウィルス感染防止のため、集会の禁止、休校、移動やビジネスの制限等が次々と課されてきました。医療体制が脆弱であるため重要ではありますが、同時に経済活動にも影響を及ぼしています。これに関連して、ウガンダ北部で緊急支援を行なったケースを紹介します。
村で4歳の女の子が、夜中におねしょをしたため、母親が怒って暴力をふるい、その女の子の右腕が骨折し、また下の歯も折られてしまいました。また別の村では、35歳の女性(妹)が、姉に暴力を受け、腕を骨折しました。
話を聞くと、経済的な困窮がストレスになり虐待の一つの要因になったと考えられます。1つ目のケースでは、出稼ぎの夫からの仕送りが不十分で、2つ目はバーを経営していた姉がビジネスの制限によって、収入を減らしていました。
写真:被害女性に提供した物資
被害に遭った2人は治療を受け、各村のリーダーが被害に遭った女の子、女性の世話をすることになりました。テラ・ルネッサンスでは緊急支援として、食料品(トウモロコシの粉、豆、調理オイル、塩)と生活用品(衣服、マットレス、毛布、蚊帳)、感染予防の手洗いバケツと石鹸を提供しました。(また暴行を行なった2名はどちらも裁判を待っている状態です)
写真:経済活動の制限で閑散とした休業店舗の通り。2020年4月撮影
ビジネス制限は徐々に解除されていますが、長引くほど、収入源が減り生活が苦しくなります。すでに多くの市民が影響を受けていますが、その中でも被害に遭いやすいのは、より弱い立場の方たちです。
写真:収入が減った洋裁店にマスク生産を依頼
テラ・ルネッサンスでは緊急支援を続けるとともに、これまでに収入が減った方たちにマスク生産を依頼する等で生計支援を行なっています。コロナ対策が長期化する中、状況に応じて必要な支援を続けていきます。
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記事執筆/
アフリカ事業部
鈴鹿 達二郎