さらなる感染拡大を防ぐための隔離施設支援【緊急支援プロジェクト】
アジュマニ県の隔離施設での支援の様子です。
南スーダン - ウガンダ国境は閉鎖されているものの、依然として南スーダンから難民が流入しています。
そのうえ南スーダンとの国境で多くの感染者が見つかっている状況です。
そんな中、アジュマニ県では3つの隔離施設を設置して、陽性患者(主にトラックドライバー)との接触者や、南スーダンから不法に流入した難民の方々を隔離施設に2週間収容しています。
ただ、隔離施設の状況が悪く、十分な食事が出なかったり、施設内での感染予防が不十分であるなどで先月から隔離施設への食料物資や衛生用品の支援などを続けています。
写真:アジュマニ県の隔離施設
写真は、アジュマニ県のスポーツ広場を隔離施設にした場所で、先週時点で、35人収容されており、そのうち21人は南スーダンからの難民です。
収容可能人数は60名ですが、日々の感染状況によってこれを越えて一気に増えることもあり得ます。
この時は、収容されている方々がバケツなどを共用して使っている状況で、テラルネ側に衛生用品の支援要請があり、バケツや石鹸、それから毛布などの生活物資を支援してきました。
施設内に収容されている人たちが、バケツなどを共用することで感染が広がることもあり得ますし、そもそも衛生管理が不十分な状況で、他の感染症に罹患する恐れもあります。
実際、ここでも子どもがマラリアに感染する事例もしばしば起こっています。
写真:物資を搬入、配布する様子
写真は、これらの物資を搬入、配布している様子ですが、写真からもわかるように、ロープが張られている場所から、収容されている人たちは出ること許されておらず(軍隊が24時間体制で監視している)、ロープの内側でソーシャルディスタンスをとって物資の受け取りに並んでいます。
そこで一人一人、やってきて物資を受け取り、戻っていくという形で、とにかく感染予防に
注意を払いながらの物資配布です。
このように隔離施設で配布している物資は基本的に調達したあと、まずは一度、テラルネの倉庫に搬入します。
そこから、小分けにして難民居住区や隔離施設で配布していくのですが、その前に
物資を仕分けしたり、行政機関と調整して配布物資の確認。
写真:アジュマニ県主導のタスクフォースミーティングの様子
アジュマニ県が中心となり、十分に間隔を取りながら、タスクフォースのミーティングを行います。
ここで、諸々の現状共有や、ニーズ確認、支援要請、支援の報告などを行っています。
主な配布物資は、豆やポショ(メイズ)、塩、調理油などの食料品から、バケツ、石鹸、タライなどの衛生用品、また、毛布や、蚊帳なども隔離施設のニーズに応じて配布しています。
写真:アジュマニ県の隔離施設
アジュマニ県にあるもう一つの隔離施設での支援の様子です。
アジュマニ県では現在3つの隔離施設がありますが、この施設はもともと小学校で、先月末、急遽、設置された隔離施設です。
ウガンダ北部(南スーダン国境)での感染者増加と共に隔離者も急激に増えて、急遽、隔離施設として使うことになりました。
開設初日(5月25日)は2名ほどのみの収容で済んだのですが、3日後には一気に45名に増えました。
基本的に隔離施設では2週間隔離されて、かつ検査結果が陰性であれば開放されるのですが、もし、その期間内に陽性患者が1名でも発生した場合は、その時点から全員さらに2週間隔離されることになります。
この施設でも先週、陽性者が1名出てしまい、残りの人たちは、そこからさらに2週間されているという状況になっています。
隔離が延長されると、陽性者が使っていたマットレスや用具一式を消毒し直さないといけないため、私たちもそのための消毒液などを支援しています。
写真:隔離施設の部屋の様子
教室にマットレスが6つ、ここが隔離された人々の部屋です。
大部屋に一切の仕切りもなく、正直、これでは施設内感染が出るのも仕方ありません。
もちろん、施設管理をしているスタッフやヘルスワーカーたちも皆、それではダメだということはわかっているのですが、とにかく、資金がないことと、急遽、設置したこともあり、施設管理の体制が行き届いていない状況でした。
他の隔離施設同様に、必要物資を供与するとともに、アジュマニの職業訓練で木工大工の技術を習得した難民の若者たちにも手伝ってもらいながら施設内感染を防ぐためのパーテーションの作成も進めています。
それにより、なんとか施設内感染のリスクを少しでも低減できればと思っています。
とにかく、今、ここで施設内感染を抑えなければ、病院にどんどん陽性患者があふれていくことになりますので、テラルネとしても、隔離施設での感染予防、それから施設内の人々の衣食住の支援をこの1ヶ月間強化しています。
(報告:小川真吾)
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