【ラオス】MOU締結と他のNGOとの協働
【アジアレポート/2020年8月_Topic02】
【MOU締結】
本プロジェクト実施のためのMOU(Memorundam of Understanding、覚書)が2020年8月21日に締結されました。
通常ラオスではMOU締結の際には、ラオス政府側カウンターパート(本事業ではラオス労働社会福祉省の不発弾処理統制機構(NRA)と事業実施団体であるテラ・ルネッサンスの間での署名調印式が実施されますが、今回はコロナ禍により日本人事業担当者がラオスに渡航できないため、式は実施されませんでした。
本プロジェクトの活動の柱は、子どもを対象とした不発弾回避教育(MRE, Mine Risk Education)と社会経済的に脆弱な家庭の生活基盤整備(生計向上)です。
これらの取り組みで、子ども達が不発弾の被害により未来が奪われることなく、そして高等教育を受けられるようになることを目指しています。
他団体によっても子ども達を対象としたMREは実施されてきましたが、今回の当会の取り組みは特に3〜5歳の幼い子ども達の不発弾(UXO)についての理解力と知識の向上を目指しています。
かなり難しい取り組みとなることが予想されますが、幼児の不発弾事故を回避できる上に、このMREの方法が確立されれば、幼児への他のリスク教育にも応用できる可能性もある、とても価値ある取り組みです。
また今回生計向上のために実施する職業訓練分野は、先行事業からの養蜂に加え、キノコ栽培と裁縫という、いずれも大きな投資を必要とせず、広いスペースをも使わずに比較的安定した収入を得ることができ、かつ持続可能性が期待されるものです。
コロナ禍などの影響で活動が遅れていますが、これから事業計画を見直しながら一つ一つの活動を着実に進めていきます。
【ラオスで活動する他のNGOとの協働】
ロックダウン等により、プロジェクト実施地であるシエンクワン県での蜂蜜販売も困難になる中、7月のレポートで紹介したように、ラオスで長年障がい者の自立支援を行っているアジアの障害者を支援する会(ADDP)との協働で蜂蜜配合クッキーの開発を行うことで、販路拡大を目指しています。
また同団体は縫製職業訓練による障がい者自立支援も実施していますが、テラ・ルネッサンスは訓練生達が製作したマスクをスタッフ用に購入し、今後開催する会議や式典等に備えています。
写真の生成素材のマスクはADDP製、白い布マスクは市販のものでカウンターパートからの会議や式典参加者がマスクを忘れた場合に貸し出すためのものです。
テラルネのロゴラベルは地元シエンクワン県の一般の店舗に発注しました。経済活動が制限される中、NGOや他の組織とも連携・協働しながら活動を進めていきたいと思います。
また当会も本事業では裁縫の職業訓練を実施するので、得られた技術を実際に活用できる場面があれば、村人の社会貢献の機会となるでしょう。
【新事務所、新スタッフ紹介】
新規プロジェクトの本格的な活動開始のために、新事務所へ引っ越ししました。先行事業の成功を受け、今回は更にMREや職業訓練等に活動範囲を広げたため、スタッフも多く雇用します。
新事務所には皆が快適に働ける十分なスペースがあり、またカウンターパートにも近いため、これからの活動を効率的に行う環境が整ったと言えます。日本人事業担当者も早く渡航できるようにと心から願っています。
また、本プロジェクトの新メンバーとして、プロジェクト・コーディネーター1名が加わりました。
氏名:Mr. Uthen Phonekhampan(ウテン・ポンカムパン)
年齢:27歳、シエンクワン県ペック郡ポントーン村(Phonethong Village, Pek District, Xieng Khouang Province)在住
役職:プロジェクト・コーディネーター 担当:事業コーディネート
意気込み:私は自分の国、特に自分が生まれ育った故郷の新たな発展を見てみたいと思います。そして、このプロジェクトのゴール達成の助けになりたいと考えています。
写真:テラ・ルネッサンス、ラオス、シエンクワン県事務所新スタッフ
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記事執筆/
アジア事業部
飯村