【カンボジア】お金と自然の循環を回すモデルファーム
【アジアレポート/2020年8月_Topic03】
ロカブッス村の小学校の前の土地で、モデルファームの建設をしています。この土地は、やせ地で村人たちが作物の栽培に何度か挑戦しましたが、栽培が難しく諦めてしまい、荒地になっていた場所です。
2ヶ月前から茄子の苗木を準備し、オーガニックの肥料を混ぜ、畑の準備をしてきました。8月には、1047本の苗木を植えて、実がなり始めるところまできました。
非常に硬くて、栄養分の少ない土壌でしたが、家畜銀行で貸し出している牛やヤギなどを飼育する農家から糞をもらってきて、完熟させてから、有機肥料として土にまぜ、土がかなり柔らかくなってきました。
ほとんどの茄子は問題なく育っており、花が咲き始めました。村人たちが、諦めていた土地で、こうして直接目で栽培できることを見てもらい、栽培方法を学んでもらえたらと思います。
収穫した茄子は、モデルファームの前にあるファーマーズ・マーケットで販売していきます。この他、モデルファームでは、ネギ、サツマイモ、タロ芋、ヘチマ、スイカなども植えています。
また今後、村の家畜銀行で家畜を飼育する人たちも増えてきたため、家畜用の飼料も、カンボジアの薬草を混ぜて販売する計画を立てています。
これまで、家畜の餌を自分で作るのが難しい人は、タイの企業が販売する餌を購入していました。しかし、値段は高く、成長は早くなりますが、鶏の健康によくありませんでした。
村で安く、村の中にある植物を使って、飼料を作れるため、村のなかでお金が周り、収入が得られるような仕組みになります。
そうすると村人たちが飼育する家畜の糞を完熟させて、肥料とし、畑が肥沃になって、作物の栽培をする循環ができます。
このお金と自然の循環を同時に回していくことで、村人たちの「自立」をサポートしていきます。
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記事執筆/
アジア事業部
江角 泰