【カンボジア】農薬に関するワークショップ実施

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【カンボジア】農薬に関するワークショップ実施

【アジアレポート/2020年9月_Topic02】

 
カンボジア バッタンバン州の地雷埋設地域にあるロカブッス村で、9月末に農薬に関するワークショップを実施しました。同じカムリエン郡内の障害者世帯へは去年実施し、とても好評でした。
 
農薬が危険だと聞いたことのある村人は多いです。しかし代替となる手段や農薬の危険度が分からず使い続けているのが現状です。結果農薬によって健康を害したり、農薬や散布機を購入するために支出が増加したりといった問題が発生しています。

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農薬の危険性のワークショップの様子

  

実例としては、

この地域で栽培されている[1]龍眼に散布する農薬が風で飛ばされてきて、弊会が実施している家畜銀行から貸し出した鶏が死んでしまうことがありました。隣人が家の向の畑に農薬を散布したのです。

  

また、除草剤の影響で草を食べたヤギが死んでしまったり、牛が妊娠しない、生まれてくる子牛に奇形が発生するなどの問題も起きています。せっかくの収入になるはずの家畜が死んでしまえば、直接村人たちの家計に影響してきます。

 

今回のワークショップには20名ほどが集まってくれました。まず農薬を使ったことがある人に体調が悪くなったことがあるか聞きました。するとほとんどの人が何らかの体調不良を経験していることが分かりました。それにも関わらずマスクや防護服を着ずに農薬を散布している若者がいることも分かり、参加者の多くが心配していました。
 
また、たくさん散布すればより効果があると思い、散布し過ぎてしまう人もいるようです。他の農薬と混ぜてしまうといった危険な使い方をしている人もいました。農薬は輸入されたものがほとんどで、カンボジア語で説明されていないために使い方がよく分からないというも問題を引き起こす一つの原因だと考えられます。


[1] ライチに似たフルーツ

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農薬の危険性に関するワークショップを受講するロカブッス村の村人たち

 

2つ目の大きな問題は、環境を汚染してしまっていることです。土壌に散布された農薬は何年も残留すると言われています。また雨が降れば、農薬が流され川に流れ込みます。その川の魚や水を食べたり飲んだりするのは村人たちです。

 

農薬や化学肥料を使わないと野菜を栽培できない、と考えている村人も多かったですが、ロカブッス村のモデルファームでは、すでに茄子やヘチマ、ネギ、冬瓜、さつまいも、などを無農薬で栽培しています。特に茄子は大きな実がなっているため、農薬や化学肥料を使っていると思っていた村人たちは驚いていました。
  
ロカブッス村は、特に痩せた土壌ですが、こうした土地には牛糞やヤギの糞、鶏の糞がいい有機肥料になります。家畜飼育で出る糞を循環させ、野菜栽培もできるようになります。

 

一度だけのワークショップでは、すぐに変化させることは難しいと思いますが、継続して村人たちへ伝えながら、モデルファームでの栽培を成功させ見てもらいたいと思います。
 

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記事執筆/

海外事業部アジア事業担当

江角 泰

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