【インタビュー】啓発事業部 島が、冬の感謝月間に込める想いとは
11月から実施している冬の感謝月間、コンセプトは「社会の“灯火”を育む」。
いつもテラ・ルネッサンスのキャンペーンを中心となって企画している啓発事業部の島に、今回の感謝月間に込めた想いについてインタビューを行いました。ぜひ、ご一読ください。
*例年、テラ・ルネッサンスは、夏と冬に季節募金キャンペーンを実施しておりますが、今冬は、例年とは少し異なる「冬の感謝月間2020」を実施しています。
社会の声を聴き、テラ・ルネッサンスとしてメッセージを発信する
ーー現在は冬の感謝月間を実施していますが、今回に限らずいつもキャンペーンを行う時はどんなことを想って始められるのでしょうか。
「設計をする中で1番大事のは、『今この社会が何を求めているのか』ということです。
キャンペーンは、この社会にテラ・ルネッサンスがメッセージを大きく出せる機会です。コンセプトの作成や、支援者の方や社会に何を伝えるかを考えるときは、重要な軸になります。」
ーーなるほど。こちらが発信したいメッセージだけでなく、まず社会が何を求めているか、からスタートするということでしょうか?
「そうですね、今世界で何が起こっていること、必要なことを伝えていくことがNPOの役割ですが、今の日本国内でもコロナは問題であり、大変な経験をしている人たちがいることに対しても、配慮であったり、それを汲んだ上でのメッセージを伝えなければいけない、というのは大切なことだと思います。」
ーーでは今回の感謝月間は何を軸に作られましたか?
「今回大事なことは2点あります。
1つはテラ・ルネッサンスが何を伝えたいかです。春と夏、私たちは新型コロナウイルス対策に対する支援のお願いや、ファンクラブ会員の募集のお願いを行いました。
この日本社会が圧倒的に暗い中、それでもテラルネを応援し、『アフリカ・アジアの人を応援したい』『一緒に頑張りたい』と思ってくださった人たちがいること。まず、その人たちやそれを支えてくれた社会に対して、感謝をしっかりと伝える時間を作りたい、というのがまず前提にありました。
そして、もう一つ、社会や今の状況に対し、テラ・ルネッサンスが何をすることができるのかということです。
今、この社会が今どういう状況かというと、やっぱり暗いんですよね。これはコロナによって社会的経済的に暗くなっていることを含め、若い人たち・著名人が自ら命を立っている状況があります。
そこの部分は、私たちの事業としては携われないことかもしれないけれども、テラルネが今まで経験してきたことや持っているものを、この社会に対して伝えることで、少しでも社会を照らすことができる、明るくすることができるんじゃないかって思います。
暗さ、という意味では日本と同じくらい、それ以上にアフリカやアジアで苦しんでいる人たちがいるけれども、その人たちが持っている力を発揮して前を向く姿を、私たちは知ってるんです。だからこそ、その明るさ、前を向いている様子、立ち上がろうとしているの力強さ・勇気を、ちゃんと伝えれば日本社会に対しても伝染をすると信じています。
だからそれが今私たちにできることだと思って、今回の感謝月間に想いを込めました。」
ひとり一人が持っている灯火を広げ、社会を明るく照らしたい
ーー今回のコンセプトで「社会の“灯火”を育む」という言葉を使われていますが、「灯火」という言葉を選ばれたのにはどんな想いがありますか。
「大事にしたいものは、この社会を照らしたいという想いです。その照らしたいっていう言葉から連想するのは、灯りであったり炎であったりで、私たちはその照らす力を大きくしたいし、なおかつテラ・ルネッサンス以外の灯りと共に、広げていきたいと思っています。
支援者の方たち、テラルネに関わる人たち、そして、この社会にいるひとり一人が持っている灯りがあって、その灯りをより大きくすれば、この社会はもっともっと明るくなる。つまりその灯火は、みんなそれぞれ持っているもので、それを周りの人に伝えていく力もみんな持っているんです。
テラルネが、自立に向けて前に進んでいる人々から勇気づけられた想いを灯火にして、テラルネに関わっている人たちへその火を広げていくことで、社会をより大きく照らしていけるんじゃないかなと思っています。そして、この火をこの機会に広げていくことによって、みんながまた灯火を渡したくなっていくようになるといいな、と思うんですよね。」
ーーお話を聞いていて、みんなそれぞれ灯火を持ってるという点は、テラ・ルネッサンスの理念の「ひとり一人に未来をつくる力がある」に非常に関わりがあると感じました。私たちが支援している紛争被害者の方からから教わったことは、今のコロナ禍の日本社会でどのように活きると思いますか。
「いわゆる暗い状態、底にいる状態を比較するものではないんですけど、やっぱりアフリカやアジアの紛争被害者の方々の経験、そしてコロナ禍でのどん底感っていうのは、日本で生活していると、想像できないようなレベルだなと思うんですね。
その日生きていけるかどうかの状態の人たちが、自分の持っているものを使って前を向いて立ち上がっていって、そして最終的には笑顔になっている過程はものすごいパワーがあるはずなんですよ。それはやっぱり私がアフリカに行って、そういった人たちに会った時に、一番強く感じるところで、この人たちは本当にそういう暗い過去を経験しているんだろうかって疑いたくなるようなくらい、笑顔でいるわけです。でもその背景には信じられないレベルの状況があって。
そこで感じた力強さっていうものを、ちゃんとこの社会に伝えていくことで人々を勇気づけられるというか、私も前を向けるんだっていうような、背中を押すことができると思うので、人々に前を向けるんだ、大丈夫なんだと思ってもらえるようにしたいですね。」
ーー少し冒頭でも言及いただいたように、今年新型コロナウイルス対策緊急支援プロジェクトやファンクラブ会員キャンペーンを行って、支援者の方からも想いを託される、今回のキーワードでいうと、灯火をつないでいただく、ことがあったと思うのですが、島さんは支援者の方からの想いをどのように受け止められていますか。
「やっぱり今年で一番心に響いてるのは、この新型コロナウルス対策の緊急支援を春から始めた時に、支援の呼びかけをして、今まで以上に、支援を寄せていただいたことですね。日本も4月5月は同じようにてんやわんやな状況で、本当に支援が集まるんだろうかっていう少しだけ不安な気持ちでやっていたので、本当に驚きました。
どう考えても日本も大変だし、自分も不安な気持ちがある中で、それだけの資金が集まることってまずすごいなって。それは感動というか、まずもって応援してくださる人たちの、何かこう、愛をひしひしと感じましたね。
本当に大変な時だからこそ、支えようって思ってくださっている人たちがいて、皆さん絶対大変なのに、テラ・ルネッサンスにちゃんと支援をしてくださるっていう、想いの強さをより強く実感をしたのが、私にとっての新型コロナウィルス対策の緊急支援でした。」
ーー支援者の方の想いをいただいて、先ほどおっしゃっていた灯火が広がった先にはどんな世界があると思われますか?
「一言で言えば優しい世界なのかなと思います。これだけ社会が暗い中で苦しんでいる人たちがいるんだけど、そこに対してテラ・ルネッサンスが、そして支援者の方々が、社会にいる人たちが、社会を照らそう、照らしたいっていう想いをより強く持っていくことによって、想い合う世界が作られていくと思います。
そういう優しい世界を作っていくために、テラ・ルネッサンスができることをしていく時間がこの感謝月間なのかなと思うわけです。そして、テラ・ルネッサンスと一緒にこの社会を照らす人たちの炎をもっともっと大きくする時間にもしたいです。」
テラ・ルネッサンス自身の炎を力強く燃やし、多くの人々に関わっていただく
ーーそのひとり一人の灯火が広がっていくためには、色々な方の協力が必要であり、様々なアプローチがあるんですよね。多様なチャンネルがあるということが、より多くの人々を巻き込んで大きな運動にしていくのに必要なことなのでしょうか?
「はい、おっしゃるとおりですね。テラ・ルネッサンスだけでは、社会を変える力は微々たるものかもしれませんが、あらゆる角度・あらゆる方法でいろんな人が関わってくださることで、この社会は絶対動いていくもとの信じています。」
ーー島さんがこの感謝月間を通して、社会に伝えたいメッセージとは何ですか?
「コロナ禍からずっと続いている今の日本の状況、加えて世界の状況って、みんな同じ状況を共有しているので、いわゆる他者の苦しみや悲しみをすごく共感しやすい環境になってると思うんですね。ゆえに思いやりが生まれやすい状況だとも思います。
テラ・ルネッサンスと一緒に、誰かを思いやるということができて、その人たちがどんどん増えていくと、この社会はもっともっとよくなり、暖かくなっていくのだろうと思います。
そんな風に社会を暖かくするためは、なによりもまずテラ・ルネッサンス自身の火を力強く燃やし続けること。それが私たちのやるべきことだと思います。」
冬の感謝月間2020開催中
この冬、テラ・ルネッサンスは、『冬の感謝月間2020』として、ひとり一人が持つ灯火を広げ、この新型コロナウイルスに覆われた社会を照らしたいという特別な期間をスタートしました。