【ラオス】職業訓練と家計簿研修で生計向上へ
【アジアレポート/2021年2月_Topic01】
職業訓練受講者のための家計簿研修
ラオス事業では、不発弾被害者家族と低所得者層を対象とした裁縫、キノコ栽培と菌糸培養、養蜂の職業訓練を行いました。それぞれの訓練コースを受け、村人は商品生産ができるようになりましたが、安定した生活を送るためには収支の管理も大切です。そこでこの事業では、経理トレーナーによる家計簿研修を実施しています。
まずは職業訓練の参加者を対象に、2日間の家計簿研修を実施し、その後はフォローアップを行なっていきます。訓練実施に先立つベースライン調査(家族構成や収入等)では、比較的収入が多い家庭が、より多くの負債を抱える傾向が確認できました。その原因の一つは、商品作物へ投資をして収入が増えても、収支の管理ができていないことにあります。
今後もフォローアップを丁寧に行い、技術や家計管理の面を向上させていけるようにするとともに、販売を促進するビジネス講習も実施していきます。
↑家計簿の付け方を学ぶ村人
キノコ栽培及び菌糸培養訓練
10名の不発弾被害者家族と低所得者層を対象とした、24日間のキノコ栽培および菌糸培養訓練が2月17日に完了し、翌18日に訓練修了式が開催されました。
訓練後半の16日には、菌糸培養訓練を支援いただいた、京都生協の方々によるオンラインでの現地調査も行われ、学校や訓練の様子、作成した菌糸パックなども見ていただきました。訓練の後には訓練参加者2名に対し、1棟ずつキノコ栽培小屋が設置され、まずは訓練期間中に作った菌床パックをそれぞれのペアが栽培しながら、今度は自分たちで再び新しい菌糸パックを作ることで、技術の定着を図ります。
養蜂職業訓練受講者のフォローアップ
昨年11月に実施された、養蜂訓練の受講者20名に対するフォローアップが継続されています。それぞれの村人の状況に応じて、追加での養蜂箱の提供や誘引剤の設置が行われました。
養蜂訓練は先行事業から続く活動で、蜂蜜は観光客や市街地の喫茶店やレストランなどにも購入いただいてきました。しかしながら、最近はコロナの影響で観光客が少なく、販売拠点自体も農村部であるため、販売方法の工夫が必要です。
今後は更に技術の定着を進めるとともに、キノコ栽培や裁縫も含め、安定した収入を得られるような方法を検討していきます。
↑養蜂箱に蜜蜂誘引剤を設置
飯村 浩