【カンボジア】村人たちが楽しみにしていた子豚が到着
【アジアレポート/2021年5月_Topic03】
カンボジア事業では、5月末にバッタンバン州カムリエン郡ロカブッス村で、新たに家畜飼育を始めた世帯へ、豚の引き渡しを行いました。村人たちに、「この日に豚を届けに行くから準備しておいてね。」と事前に伝えてあるので、多くの村人は、小屋を準備したり、豚に食べさせる餌を準備したりしながら、楽しみに待ってくれています。
村へ到着すると、かごから子豚を出し、村人たちに手渡します。
↑ロカブッス村で、子豚を引き渡している様子
そのまま小屋に入れられたり紐で繋がれたりした後は、そわそわした様子だった子豚たち。新しい環境に慣れるまでしばらく時間がかかるとは思いますが、段々と落ち着いてくれればと思います。
↑到着したばかりの子豚と村人
それから数日後、受け取った一匹の子豚の食欲がなく心配だ、と村人から相談を受けたロカブッス村の副村長から、当会のスタッフに電話が入りました。そこで、現地NGO・CRDNASEの農業専門家サリー氏が様子を見に行くことに。
サリー氏の診断によると、特に病気などではなく、暑いため夏バテ気味だろう、とのことでした。水をかける等のアドバイスをしたほか、念のため薬を渡してきたので、しばらく経過を見たいと思います。
↑村人が用意していた子豚のえさ。空心菜などが入っていて栄養満点です。
また、家畜飼育を始めるにあたって、契約書の取り交わしも行います。返却する家畜の数や家畜が病気になったり、死亡したりした場合について記した内容の契約書を読み上げて説明し、家族構成などの情報を記入して、同意が取れれば拇印してもらいます。これらをもって、家畜飼育を始める準備が整ったことになります。
↑ロカブッス村で家畜銀行に関する契約書を取り交わしている様子
カンボジアでは、すぐに現金が手に入るマイクロクレジットが広く利用されています。しかし、マイクロクレジットには、土地や家を担保として取られたり、月2-3%の利子が、年にすると膨大になるといったデメリットがあります。
そこで当会はマイクロクレジットではなく、家畜銀行の仕組みを通じて村人たちに家畜飼育をしてもらうことによって、借金に依存することなく家にいながら自立した生活を送ってもらえるよう、支援をしています。
銀行から借金をして栽培する換金作物とは違い、家畜は買取価格が安い時には売らず、高い時に販売することがある程度可能であることに加え、飼育には広い土地を必要としません。
これからも、これらの家畜銀行の魅力を少しずつ村人たちに伝えていければと思います。
元浦 菜摘