『私の一歩。』04.ラオス事業 ウテン・ポンカムパン

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『私の一歩。』04.ラオス事業 ウテン・ポンカムパン

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『私の一歩。』は、【夏季募金キャンペーン2021『それでも、一歩を。』】の期間中に、お送りする特別連載ブログです。本シリーズでは、テラ・ルネッサンスに関わる人々(スタッフ、支援対象者の方々、支援者の方々)の「一歩」をお伝えいたします。

 

今回の『私の一歩。』はテラ・ルネッサンス ラオス事業プロジェクト・コーディネーター ウテン・ポンカムパンです。ウテンは地元への強い想いから、テラ・ルネッサンス職員としても、プライベートでも、人の未来を明るいものにしたいと、新しいことに挑戦し続けてきました。そのようにウテンが「一歩」を踏み出してきたストーリーは、一歩の積み重ねが現在や未来に繋がっていくことに気づかせてくれます。

ぜひ、ご一読ください。

テラ・ルネッサンスだからこそできる仕事

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【養蜂スタディーツアーの引率の様子】

ー今回はラオスからご参加いただきありがとうございます。はじめに、ラオス事業でのウテンさんの役割を教えてください。

私はラオス政府や事業のカウンターパート(現地で受け入れを担当してくださる協働者)とのコーディネートを担当しています。具体的には、プロジェクトの計画書の作成、事業のカウンターパートや関係各所への報告書の提出、スタッフの入国手続きなどです。ラオスは社会主義国家のため、政府のルールに則って、事業を進める必要があります。自分で言うのもおこがましいですが、ラオス事業を円滑に進めていくために欠かせない仕事です。

ーウテンさんはなぜテラ・ルネッサンスで働くことにされたのですか。

私は、自分の地元の町の開発に携わりたいと思い、テラ・ルネッサンスで働いています。もちろん、町の開発を行なっている企業やNPOは他にも多くあります。しかし、その中でテラ・ルネッサンスを選んだ理由は、社会や世界平和についての考え方、そして、ひとり一人の力を信じる支援のあり方に共感したからです。テラ・ルネッサンスは、子どもの成長や人々の持続的な生活、政府の開発計画に焦点を当てていて、より良い社会のために大切な役割をになっていると感じています。

ーテラ・ルネッサンスで働いている中で、特に印象的な仕事やエピソードはありますか。

※ラオス事業では、貧困地域に生活する人々の収入向上を目的とした職業訓練や、不発弾汚染地域で生活している子どもたちが不発弾の事故に巻き込まれないようにするための不発弾回避教育を実施しています。

私たちがサポートする職業訓練に参加してくれた人の中には、今まで以上に、熱心に仕事に取り組むようになった人も多くいます。「学んだことを試してみる」という姿勢のおかげで、参加者の収入が向上していることはとても嬉しいことです。また、不発弾の回避教育は、子どもたちの不発弾事故を防ぐために、たしかに貢献できていると感じています。

ーウテンさんのとても熱心な面が伝わってきます。想いを大事に、仕事に取り組んでいらっしゃるのですね。

困難に直面しても、諦めずに新しい一歩を見つけ出す

ーそんなウテンさんですが、一方で、これまでに諦めそうになったことはありますか。

 

はい、あります。学校を卒業した直後の時は、仕事を見つけるのが難しく、就職を諦めそうになりました。国立の総合大学ではなく私立の単科大学で勉強していたので、資格や知識がないと思われ、どこに応募しても断られてしまいました。しかし、幸運にもNGOの特別奨学金を得ることができ、香港に1年間留学することにしました。さらには、イギリスで文化交流の機会にも参加できました。この経験は、私の人生をより良い方向に導いてくれたように思います。

 

ー諦めたくなる状況でも、新しい道を開かれたのですね。最近は、新しく「一歩」を踏み出す決意をする出来事はありましたか。

 

昨年、子どもたちにサッカーを教える週一回のサッカークラブを立ち上げ、私がコーチを務めることにしました。私の住んでいる地域の子どもたちは、部屋に閉じこもりがちですが、彼らの将来のためにより良い時間の使い方があると気づいたことがきっかけです。始める前は、期待と緊張、そして本当にできるのかという心配がありました。

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【サッカークラブのメンバー】

ーテラ・ルネッサンスのプロジェクトだけではなく、プライベートでも活動されているのですね。始めてからはどうでしたか。

 

子どもたちとコミュニケーションを取るのが大変でした。というのも、私たちは出会ったばかりで、お互いのことを良く知らなかったからです。厳しくしすぎてもいけないので、仲良くなることから始めました。そのうち、子どもたちは責任感を持つようになり、私を信頼し、多くの質問をして興味を示し、時には私にアドバイスを求めてくれます。私は、子どもたちのサッカーのコーチであるのと同時に、良き相談相手でもあると感じています。

ー少しずつ、働きかけが実って子どもたちに変化があったのですね。サッカークラブでの活動を通してウテンさん自身にも変化はありましたか。

はい。あったと思います。サッカークラブの活動を少しずつ進めていくにつれ、また、子どもたちが私をリーダーとして慕ってくれる度に、自分自身に自信が湧いてくることに気づきました。

ー子どもたちと一緒に前に進んでいるのですね。

社会の変化は、誰かと一緒に踏み出すことから始まる


ーそのように「一歩」を踏み出すことで「進む」ことについて、ウテンさんはどのようにお考えですか。

 

私たちは誰かと一緒に歩むことで初めて、前に進むことができます。自分にはもう無理だと思った時に、諦めずに進み続けるためには、助けてくれる人が必要だからです。また、周りの人がいることで目的を見失わずに済みます。一人では目の前の問題しか解決できませんが、多くの仲間と一緒なら、広く社会に影響を与えることができるはずです。そうして、社会の一員である個人が変わることで、社会もより良い方向へ向かっていくのではないかと思っています。

 

ーなるほど、ひとり一人の一歩が、社会の変化に繋がるのですね。そのように公私ともに活動してこられた上で、今のウテンさんはどのような考えをお持ちですか。

 

長い間テラ・ルネッサンスで働いてきましたが、私は今、生まれたばかりの男の子がいる父親でもあり、家族のためにより良い世界を作りたいと思っています。世界はそれほど単純ではないと分かっていますが、一緒に世界をより良くしていくことができる良い組織を探し、優秀で経験豊富な人々から学ぶようにしています。

 

ーウテンさんの前向きな考え方は、学び続ける姿勢と繋がっていたのですね。

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【小学生向けの回避教育の事前意識調査の様子】

「一歩」を踏み出してみることで、達成の道は見えてくる

ーどんなコミュニティにも、今立ち止まっている人や、今まさに一歩を踏み出して進もうとしている人がいるかと思います。そんな「ひとり一人」に届けたい言葉はありますか。

始めると決めたのであれば、完璧な計画でなくても、まずは一歩を踏み出すことが大切なのではないでしょうか。進み続けるためのは扉は必ず開いています。何事もまずは始めてみることが、達成に繋がることだと思います。

また、「誰にも頼れない。」と思うことがあるかもしれません。しかし、あなたの周りを見渡してみると、たくさんの人があなたを支えてくれています。それは行動してから気づくものかもしれません。「挑戦してみたいが、誰も助けてくれないかもしれない。」そう考えてしまいがちですが、助けの手は行動した人にのみ、差し伸べられるものではないでしょうか。

ーたしかに、不安は抱えたままでも、支えてくれる人がいるから踏み出す勇気が出るものですね。とても励まされました。ウテンさん、ありがとうございました。

〜夏季募金キャンペーン実施中〜

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ラオスには、常に不発弾や貧困と隣り合わせの環境で生きている人たちが多くいます。不安や心配を抱えながらも、それでも、自分と周りの未来のために、新しい一歩を踏み出そうとする強さも持ち続けています。そうして「誰かと一緒の一歩」が持つ大きな力を信じることで広がっている変化は、私たちが20年で積み上げてきた希望です。私たちはこれからも、そんな彼ら・彼女らに寄り添いながら、活動を続けてまいります。

 

テラ・ルネッサンスでは、7月15日から8月31日まで、夏季募金キャンペーンを実施しています。カンボジア、ラオス、ウガンダ、コンゴ、ブルンジの紛争被害者の方と一緒に歩みを進めるために、この期間に【1,200万円】のご寄付が必要です。

 

「もう、何にもできない。」と塞ぎ込んでしまっていたアジア・アフリカの紛争被害者の人々に、「大丈夫。一緒に生きてみよう。」そう寄り添いながら、私たちは歩みを進めてまいりました。

ぜひ、その希望の「一歩」に寄り添う支援に、寄付という形で、ご協力いただけますと幸いです。


 
ーーーーー

執筆担当/
啓発事業部 インターン
小川さくら

執筆サポート/

ラオス事業 プロジェクト・コーディネーター ウテン・ポンカムパン
啓発事業部 福井妙恵

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