【コンゴ民】紛争鉱物に依存しない、オルタナティブな仕事を創る〜養蜂ビジネスが立ち上がりました!〜
【アフリカレポート/2021年8月_Topic02】
コンゴ民の南キブ州では、長年の紛争の影響で多くの人々が命を失い、また子どもや家族を亡くし、生き残った人々も最貧困の暮らしを余儀なくされています。ここで紛争が続いている要因は複雑で様々ですが、一つの大きな問題として紛争鉱物を巡る権益争いがその背景にあります。金やタンタルなどの電子機器や携帯電話などに使われる鉱物資源が豊富なこの地域では、仕事がなく、若者や子どもたちが鉱山労働や過酷な重労働で(わずかな)現金収入を得たり、最悪の場合、鉱山を支配しようとする武装グループに徴兵されることもあります。根本的に、こうした問題は国内だけで解決できることではないので、グローバルな取り組みが必要ですが、現場レベルでは、紛争鉱物に依存しない、オルタナティブな仕事を創っていくことがとても重要です。
↑養蜂技術を習得して、紛争地域で新たな養蜂ビジネスの立ち上げにチャレンジする訓練生と弊会スタッフ
いまだに紛争が続いていて、かつ、コロナ禍の中、貧困層の方々が新たな収入源(仕事)を創ることは簡単ではありませんが、テラ・ルネッサンスは、最貧困層を対象に養蜂の技術訓練を行い、彼ら彼女たちが養蜂ビジネスを立ち上げるというプロジェクトを行ってきました。コロナ禍で一次加工のための機材を運搬ができないなど多々、困難はありましたが、ようやく、養蜂技術を習得した人々が、自分たちの村の資源を活かして、ハチミツ製品を完成させることができました!
↑自ら育てた蜂蜜をパッケージングして喜ぶ女性
訓練生たち自身が、想いを込めて、このハチミツには「UMOJA(ウモジャ)」と名付けました。UMOJAとはスワヒリ語で、ユニティ(一つにつながる)という意味で、紛争や貧困の中であっても、一人ひとりが繋がり合い、連帯することで困難を乗り越えていけるという想いが込められています。
↑ウモジャ蜂蜜
この地域は、鉱物資源だけでなく、水と緑に恵まれた豊かな自然があり、かつて、人々は農耕を営み、平和に暮らしていました。紛争の影響で、あらゆるものを破壊された今も、地元の人々は、自分たちの村に愛着と誇りを持っています。
いつか、「カロンゲ(地元名)」産のハチミツを日本に輸出したい!と話している受益者が何人もいました。
私たち、テラ・ルネッサンスとして、これからも、地元の人々に在るものを大切にし、こうした在来の資源を活かしながら、彼ら彼女たちのウェルビーイン(生きがいのある暮らし)を促進していきたいと思います。
↑養蜂ビジネスを立ち上げた生徒たちと弊会スタッフ
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記事執筆 /
コンゴ民主共和国 ブカブ事務所
小川 真吾