『私の一歩。』07. 支援者 豊田陽菜さん
『私の一歩。』は、【夏季募金キャンペーン2021 『それでも、一歩を。』】の期間中に、お送りする特別連載ブログです。
本シリーズでは、テラ・ルネッサンスに関わる人々(スタッフ、支援対象者の方々、支援者の方々)の一歩をお伝えいたします。
第8回の『私の一歩。』は、現在大学1年生の豊田さんです。豊田さんは中学3年生の時に当会職員栗田の講演を聞き、『めぐるプロジェクト』に参加してくださいました。高校に進学後、勉強や部活が忙しい中でも、卒業直前に『めぐるプロジェクト』に再び参加。さらには、先日豊田さんの母校で実施されたテラ・ルネッサンスの講演会に、ゲストとして登壇してくださいました。今は理科教師を目指し、勉学に励まれています。
※『めぐるプロジェクト』は家にある身近なものを寄付する事で応援できる仕組みです。書き損じハガキ、古本、古服等の寄付ができます。
本シリーズが、みなさまそれぞれの『私の一歩。』に思いを寄せる時間になれましたら、そして、今を生きる一助になれましたら、幸いです。
ぜひ、ご一読ください。
テラ・ルネッサンスとの出会い
ーー今日はお時間取ってくださり、ありがとうございます!早速ですが、まずは中学生3年生で、はじめて栗田の講演を聞かれた時はどんなお気持ちでしたか?
講演を聞く前まで子ども兵や地雷について知らなかったので、とても衝撃的でした。自分たちが学校に行ってる間、銃を持って戦争している子どもたちがいることに、平和ってなんだろうって考えました。教科書に載っている海外の支援を見ていたときはすごいなって思うだけだったんですけど、実際に活動されている方の声を直接聞くことができて、本当に支援が必要な地域があるのだと思いました。また、私たち若い世代でも参加できるような『めぐるプロジェクト』があるとお聞きして、ぜひ参加したいと思いました!
ーー私もはじめて子ども兵や地雷について聞いたときはとても衝撃的でした。当時は有志を募り学校全体に呼びかけてくださり、書き損じハガキのご寄付をして頂きましたが、どのようにして書き損じハガキを集めましたか?
先生の『みんなでやりませんか?』という声かけから始まりました。私含め、何人かが先生に個別で『やりたいです』と言って、10人くらいが集まりました。自分たちの言葉で、講演を聞いていない下級生に、今世界で起きていることに目を逸らさずに分かってもらうことを意識して活動に取り組みました。どうやってみんなに広げるか。自分たちは何を目的として広めていくのかを考え、書き損じハガキを集めました。
ーーただ書き損じハガキを集めるのではなく、世界では何が起こっているのか、そしてなぜ支援が必要なのか、という本質をみなさんにお伝えしようとされていたんですね。
「続ける」と決心して、
ーー後輩さんたちはどのような反応をされたのでしょうか?
『元子ども兵や地雷について今まで知らなかった』、『自分にも活動に協力することができそうだ』、などと言ってくれました。コロナがあってハガキ集めを一度諦めたし、高校ではやらないという選択肢もあったけど、やってよかったとその時思いました。
ーー豊田さんの想いが後輩さんたちに伝わったんですね!豊田さんの想いに応え、後輩さんが一生懸命ハガキを集めてくださり、約160枚もの書き損じハガキ寄付してくださいましたね。
はい!たくさんのハガキを集めることができて、活動を続けられてよかったなと思いました。後輩が素直だったからやってくれたけど、自分に人望がなかったりしたらこんな書き損じハガキは集まらなかっただろうし、高校の最後の最後で今までの自分の努力が報われたような気がして、とても嬉しかったです。
つながりを大切にしたい。
ーーそういった豊田さんの中高での取り組みが、私たちもとても嬉しく、豊田さんの真っ直ぐな想いが印象的で、豊田さんの母校である中学校で実施したテラ・ルネッサンスの講演で、ゲスト登壇してくれないかとご依頼しましたね。快く承諾してくださり、OBとして登壇していただきました。その時のご感想をお聞かせください。
まず、お話をいただいたときは、人とのつながりの大切さに改めて気づきました。栗田さんが連絡をくださったことや私を覚えていてくださったことがとても嬉しかったです。
話の内容を考えるときは『全員には響かなくてもいい』、『何人かの心に響いてほしい』と考えて、後輩たちが取り組むきっかけをつくれるように、『自分たちはこうやってきたよ』と伝えることを意識しました。
ーー今は、理科教師を目指し勉学に励まれているとお聞きしました。どのような教師を目指されていますか?
今まで出会ってきた先生方のように、きっかけを与えれるような先生になりたいです。当時担当してくださっていた中学校の先生は、私たちの主体性を大切にしてくださって、後ろから見守ってくださっていました。子どもたちにいかに考えさせて、自立させるかを大切にし、自然と今回のような活動をできるような環境を作れる先生になりたいです。最初のきっかけは作り、生徒たちが主体的に活動してくれるようなイメージです!
あとは、子どもたちに発見する面白さを伝えたいです!今は調べたらなんでもわかる世界ですけど、知識を蓄えるだけが全てじゃないと思います。『なんでやろう?』を突き詰めていけるよう子どもに促したいです。たくさんの方に協力していただきながら勉強していこうと思っています。
ーすごく素敵な目標ですね!豊田さんがこれまでのように一歩進もうと思われる原動力はなんでしょうか?
1つの出会いを大事にしたいという思いです。自分がいい経験をさせてもらっているのに中学時代の縁を切ることはもったいないし、テラルネの活動を通して世界の教育現場を知るようにもなったし、1つの出会いからいろんな考えが構築されていくことが楽しかったり、学べたりするから、進もうと思います。
ーーつながりを大切にしたいという想いが豊田さんを突き動かしているんですね!最後に、この記事を見た学生さんにメッセージをお願いします!
学生にとってはきっかけが大事だと思っています。中学も高校も、先生の呼びかけだったり、顧問の言葉でめぐるプロジェクトに参加することができました。大学にはいってからもハガキを集める活動を続けようかどうか迷ってたけど、こうして呼んでもらえたことも、またなにかをやりたいと思うきっかけになりました。周りできっかけさえ作って軌道に乗せればなんでもできると思うから、そのきっかけを大事にして、同じ考えを持っている人とのつながりの糸を切らさずに、細々とでもいいから諦めずに進んでほしいです。
ーー豊田さん、ありがとうございました。
夏季募金キャンペーン2021、実施中!
周りの環境に感謝しながら、つながりを大切にする豊田さん。彼女の力強く、真っ直ぐな思いはたくさんの方の心を動かしてきました。「今の自分にできることは何か」と問いかけ、困難な状況でも諦めない。そんな彼女の姿は私たちに勇気を与えてくれました。『一人ひとりに未来をつくる力がある』というテラ・ルネッサンスの活動理念を体現してくださっています。
テラ・ルネッサンスでは、7月15日から8月31日まで、夏季募金キャンペーンを実施しています。
アジア・アフリカで自立に向けて歩む人々と共に、テラ・ルネッサンスが活動を継続していくために、この期間に【1,200万円】のご寄付を必要としています。
豊田さんをはじめとする皆さまの温かいご支援は、アジア・アフリカの紛争・災害被害者の方の一歩への大きな力になっています。
みなさまもぜひ、その自立の一歩に寄り添う支援に、寄付という形でご協力いただけますと幸いです。
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インタビュー協力:
めぐるプロジェクト参加者 豊田陽菜さま
記事執筆/
啓発事業部インターン 高口望
執筆サポート/
啓発事業部インターン 小川さくら