『私の一歩。』08. ブルンジ事業「子どもの保護と自立支援プロジェクト」
テラ・ルネッサンスでは、8月31日までの夏季募金キャンペーンを9月8日まで延長し、アジア・アフリカで紛争や災害の被害に遭った方々の自立支援のため、活動資金1,200万円のご寄付を呼びかけています。キャンペーンへのご支援、心よりお願い申し上げます。
『私の一歩。』08. ブルンジ事業「子どもの保護と自立支援プロジェクト」
シリーズ『私の一歩。』は、【夏季募金キャンペーン2021『それでも、一歩を。』】の期間中に、お送りする特別連載ブログです。本シリーズでは、テラ・ルネッサンスに関わる人々(スタッフ、支援対象者の方々、支援者の方々)の「一歩」をお伝えいたします。
最終回となる第8弾は、ブルンジ共和国で「ストリートチルドレンゼロ」を目指す新プロジェクト、「子どもの保護と自立支援プロジェクト」の一歩をご紹介。プロジェクトマネージャーとして活動する古岡繭に、お話を聞きました。(上の画像左端が古岡)
*ストリートチルドレンとは
親や成人によって適切に養育・保護されることなく、路上で寝泊まりをしたり、生きるための活動を主に路上で行っている子ども。帰る家があっても1日の大半の時間を路上で日雇い労働をしながら過ごす子どもや、保護・就学していても一時的に路上生活に舞い戻る子どもも含み、様々な状況に置かれています。
始動8年目、根本的な解決を目指して
ーーこの度は、インタビューをお受けいただきありがとうございます。まず、ブルンジで始動した新プロジェクトについて、教えていただけますか?
はい、2021年4月から「子どもの保護と自立支援プロジェクト」は、ブルンジで二番目にストリートチルドレンが多いカヤンザ県で、職業訓練を通してストリートチルドレン世帯の自立を支援する三年間のプロジェクトを開始しました。
ーーありがとうございます。これまでも、ムランビヤ県でストリートチルドレンの支援をおこなってきましたよね。今回、活動地域を変えてカヤンザ県のストリートチルドレンを支援する新規事業には、どういった背景があるのでしょうか?
ストリートチルドレンの問題をより都市部で解決する必要がある、一番です。既存事業でも、(より地方に位置する)ムランビヤ県において、ストリートチルドレンを支援してきました。だけど、ストリートチルドレンの問題って、地方と都市部では事情が違っていて、都市部の方が、比較的状況が厳しかったりするんです。
ムランビヤ県でのこれまでの事業で、ストリートチルドレンの問題解決に、自立支援が有効なことが確認できたこと、そして根本的な問題を解決するには、都市部のストリートチルドレンの問題にもアプローチする必要があることから、今回の新規事業に踏み切りました。
【ヒアリングのために集まったストリートチルドレンと保護者】
新たなチャレンジに、「きっと大丈夫。」と思える理由
ーーなるほど。都市周辺に活動地を移しての事業ということでも、新たなチャレンジなんですね。マネージャーとしてのお仕事も、これまでに増して責任重大かと思いますが、古岡さんは今、どんなお気持ちでいますか?
そうですね。仰る通り、新たな活動地で、よる複雑で厳しい状況に置かれたストリートチルドレンが対象なので、もちろん不安はあります。でも、事業を進めるブルンジ事業スタッフを見ていると、「きっと大丈夫」と思えるんです。そう思えるのは、これまでの信頼関係や、コロナ禍でも一緒に活動を続けてきた経験があるからですね。
ーー頼れるチームなのですね!もう少し詳しく聞かせて下さい。
コロナ禍での成長
ーーブルンジ事業のコロナ禍の経験は、どういったものだったのでしょうか?
まず、ブルンジ全体としては、コロナの大きな感染爆発もないと言われていたため、大規模なロックダウンや長期的な移動制限もありませんでした。その意味では、事業としても、コロナ禍による影響は少なかったと言えます。
ただし、ひとつ大きな影響があったとすれば、それは私がコロナ禍で一時帰国しなくてはならず、ブルンジから遠隔で事業を進める期間があったことです。
ーーなかなか再渡航が難しい時期でしたよね。遠隔で事業を進めるのは、大変な部分もあったかと思いますが、いかがでしょうか。
たしかに大変なこともありましたが、コロナ禍で遠隔で事業を進めたことで、現地スタッフがさらに主体的に動いてもらえるいい機会になったと思っています。
ーースタッフ育成に関して、プラスの面もあったということですね!
そうです。ブルンジの現地スタッフは、テラ・ルネッサンスで働いて7年のスタッフもいたので、元々ある程度安心して任せられる土台はありました。ただ、今回のことで初めて事業立ち上げの現地側での調整を、全て現地スタッフのみでやってもらうことになったんです。そのスタッフは大変だったと思うけど、実際にやってもらったからこそ、プロジェクト全体を理解してもらえて、スタッフ全体のレベル感も上がったと思います。密にコミュニケーションを取りながら任せてみて、良かったです。
ーー任せるのって怖いですよね。けれど、そうやって任せてみて、その信頼も自信も、コロナ禍を通して強まったからこそ、新規事業を安心して進められるのですね。
はい。不安もありますが、きっと、大丈夫だと思えています。
小さな一歩に思えても、それは尊い一歩。
ーープロジェクトを進める上では、うまくいくこともいかないことも、毎日たくさん起こると思います。そんな中、日々感じていることや古岡さんの原動力になっていることはなんですか?
スタッフも、支援対象者も、みんながそれぞれに困難を乗り越えプロジェクトがあります。前に進むだけが一歩じゃない。行ったり来たりする一歩も、進まないなかでもがく時間も多いですよね。
実際、これまでの事業で、職業技術訓練を受けビジネスを始めて、すぐにうまくいく人ばかりではありません。しかし、なかなか結果がみえなくても、あきらめずにもがき続ける支援対象者の姿を見てきました。だからこそ、その中でやっと進む「一歩」は、とても尊い一歩であり、私にとって大きな希望です。
そして、彼ら・彼女らが収入を得てポジティブに変化している姿は、私にとって一番の原動力です。共に働くスタッフも同じように感じてくれています。みんな(支援対象者のこと)、自分で得た収入で十分に食事が出来て、ビッグになっているよ」と嬉しそうに私に報告してくれるんです。
新規事業でなかなか前に進めない時間があっても、必ず未来の結果につながると信じて、親のような立場で応援しサポートしたいです。
みんなの一歩。みんなで、一歩。
ーーありがとうございました。最後に、ここまで読んでくださった方にメッセージをお願いします。
ブルンジ事業の「一歩」は、テラ・ルネッサンスのスタッフや、ストリートチルドレンを始めとする支援対象者だけの一歩ではありません。それは、応援してくださっている支援者のみなさん一人ひとりのおかげで歩める、尊い一歩でもあります。
これからもみなさんと一緒に、子どもたちの成長を粘り強く見守りたい。粘り強く応援していただきたいです。そして、ブルンジのスタッフや支援対象者それぞれが見せる一歩が、読者のみなさまがなにか一歩を踏み出したいと思った時に、背中をトンと押すような勇気を与えられたらいいなと思います。
ーーありがとうございました!
夏季募金キャンペーン2021、実施中!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。遠く離れたブルンジでの、スタッフの日々の歩みや、「ストリートチルドレンゼロ」を目指した新たなチャレンジの様子を、少しでもお伝えできていれば幸いです。
そして、支援対象者となる子どもたちの大切な希望の一歩を、みなさんと一緒に応援したい。みんなで、「一歩」を踏み出したいと考えています。
テラ・ルネッサンスでは、7月15日から8月31日まで、夏季募金キャンペーンを実施しています。
アジア・アフリカで自立に向けて歩む人々と共に、テラ・ルネッサンスが活動を継続していくために、この期間に【1,200万円】のご寄付を必要としています。
皆さまの温かいご支援は、ブルンジのストリートチルドレンや最貧困層の方々を含め、アジア・アフリカの紛争・災害被害者の方の一歩への大きな力になっています。
みなさまもぜひ、その自立の一歩に寄り添う支援に、寄付という形でご協力いただけますと幸いです。
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インタビュー協力:
アフリカ事業 サブマネージャー 古岡繭
記事執筆/
啓発事業部インターン 村木嘉映
啓発事業部スタッフ 津田理沙
執筆サポート/
啓発事業部インターン 高口望