【ラオス】幼児向けの不発弾教育を実施しています
【アジアレポート/2021年8月_Topic02】
危ない、危ない、危ない。爆弾はたくさん種類があって、どこにあるか分からないんだ。見つけたら遠くに逃げろ。見つけたら遠くに逃げろ。近づいたら危ないよ。
これは、WORLD EDUCATIONという団体の回避教育の歌の歌詞を日本語に訳したものです。不発弾が多く残るラオスでは、様々な団体が子どもを対象とした回避教育を行っていて、歌やポスターなどたくさんの教材があります。テラ・ルネッサンスは特に、他の団体が実施していない3〜5歳の幼い子ども達にも回避教育を実施しているため、教材にも工夫を凝らしています。5種類のポスターと2種類の紙芝居、ジグソーパズル、塗り絵、ステッカーに、上記のWORLD EDUCATIONの歌を組み合わせた、独自のレッスンコースを構築しました。
↑紙芝居を見せる回避教育トレーナー
紙芝居は、①3〜5歳(幼児、幼稚園児)向けの「不発弾を見つけたことを大人に報告して、事故に遭わない」バージョンと、②6〜7歳(小学1、2年生)向けの「不発弾事故でけがをする」バージョンの2つを使い分けています。爆弾と果物やスポーツのボールを並べた塗り絵は、色を塗る間、子どもが対象を長く観察することで、形を判別する力をつけることを目指しています。
ジグソーパズルは、子ども達が大好きなアクティビティーで、みんな本当に楽しそうに取り組んでいます。
子ども達が回避教育で楽しそうにしている様子を見ると、私はうれしく思う一方で、悲しさも感じます。
ここの子ども達も他の地域の子ども達のように、「不発弾を見つける」お話ではなく「恥ずかしがりやのミツバチさん」等のお話を聞いて、「手榴弾」と「パイナップル」が並んだ塗り絵ではなく、「バナナ」と「パイナップル」の塗り絵をして、「不発弾」ではなく「子犬」のパズルで遊ぶことができたら、もっと楽しいはずだと考えてしまいます。
でも、だからこそスタッフ一同、子ども達がこの時間を少しでも楽しく過ごせて、理解を深められるように、そして事故に遭わないように、工夫し努力しています。
自然災害が多い日本では、小さいうちから避難訓練をします。私たちはシエンクワン県の学校が不発弾回避教育を学校活動に組み込むようになることを目指して、日々活動を続けています。
飯村 浩