【カンボジア】自然と共生する生活を取り戻すために〜ハリナシミツバチの養蜂のモニタリングを実施
【アジアレポート/2021年9月_Topic03】
カンボジア、バッタンバン州カムリエン郡では、2017年から地雷埋設地域の脆弱な障害者世帯への生計向上支援事業の活動の1つとして、ハリナシミツバチの養蜂を実施してきました。
しかし、2019年後半から2020年前半にかけて、対象地域では、深刻な水不足で、川の水が干上がり、その影響で、蜜源となるはずの龍眼の木も一部では枯れてしまったところもありました。
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そのため、ハリナシミツバチの養蜂も、せっかく2019年に20世帯以上に拡大していましたが、とても脆弱になったり、死滅してしまったコロニーもありました。
2021年もどうなるか心配していましたが、9月にモニタリング調査で各世帯を廻って、状況を確認しました。その結果、とても嬉しいことに、半ば諦めていたコロニーにも、新しい卵が増えて、蜂蜜も溜まってきているのを確認できました。
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今年は、比較的雨も適度に降って、蜜源となる木の花も咲いているようです。少量ですが、2021年3月から6月までに蜂蜜の収穫ができている世帯もあります。
9月は、雨季でほぼ毎日雨が降っており、湿度が高いため、分蜂をさせて、コロニーを増やしたり、蜂蜜を収穫したりすることが難しいですが、これから花がたくさん咲く乾季に向けて、とても期待ができます。
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カンボジアでは、11月ごろから乾季になり、蜜源となる花が咲いたり、湿度が下がり、雨もほとんど降らないため、養蜂の活動を活発にしていくことができます。
これまでカンボジアでは、このハリナシミツバチの養蜂を実施している農家は、ほとんどいませんでした。しかし、作物の受粉を手助けしてくれ、さらにプロポリスの含まれる蜂蜜は、とても貴重で、養蜂を始めたい人も少しずつ増えています。
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現在、コロニーの入った巣箱を購入したい人から問い合わせがあり、1箱あたり50ドルで、販売をしていく予定です。これまで、収入には、そこまで大きな金額につながっていませんでしたが、ハリナシミツバチの養蜂を気に入ってくれている世帯は多く、また分蜂をして、コロニーを増やしていくことで、コロニーを販売して、収入面でも貢献していければと思います。
ハリナシミツバチの養蜂を通して、カンボジアの自然と人間が共生していく橋渡しができればと思います。
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記事執筆/
海外事業部アジア事業マネージャー
江角 泰