【カンボジア】コミュニティと現地警察と協力し、ヤギの盗難事件への対処
【アジアレポート/2021年11月_Topic02】
カンボジアのバッタンバン州カムリエン郡プレア・プット村では、2017年からヤギの飼育支援をしてきました。最初は4世帯への貸出から始まった飼育も、2021年11月時点で、26世帯が飼育するところまで拡大しています。
収入につながる世帯も出てきている一方で、問題も発生しました。10月にヤギの盗難事件が発生したと、村人から連絡がありました。白昼の犯行で、村の2世帯のヤギ小屋の中にいたヤギが、村人が家を少しの間離れた隙に居なくなったとのことでした。
この村では、ヤギを放牧する場合も多いのですが、これまで盗まれることはありませんでした。しかし、お金になることが分かり、狙われたのかもしれません。また、新型コロナウイルスの感染が対象地域でも拡大しており、タイへの出稼ぎができなくなり、収入が激減している人がいるのも事実です。
そうした背景のなかで、発生した事件でしたが、コミュニティのリーダーや村人たちに聞き取りし、どのように対処し、これ以上の被害を防ぐのかを話し合いました。
【ヤギ小屋への南京錠を配布するコミュニティのリーダーの女性(写真右)】
ヤギ小屋の中にいたヤギが盗難に遭いましたが、小屋に鍵はかかっていませんでした。
そこで、まず南京錠を飼育世帯へ購入し、配布しました。そして、警察へ届け出を出すことにしました。すぐに警察が動いてくれるわけではないですが、ひとまずコミューンの警察へ連絡し、そこで解決できなければ、郡警察へ連絡することになりました。
次の週には、隣の村の鶏が盗まれたという連絡もあり、継続して警戒をしていましたが、まだ犯人は捕まえられておらず、村人たちの不安は募るばかりです。
11月に入り、村人から別の事件で、犯人が捕まったという連絡がありました。これで、村人たちも一安心で、かなり不安な日々を過ごしていましたが、胸をなで下ろしていました。
盗難にあった2世帯は、本当に残念でしたが、まだ全部盗まれたわけでなく、残されたヤギを引き続き繁殖させていく予定です。もし他の世帯で返却されるヤギがあれば、再度貸し出すことも検討しているところです。
現地では、様々なことが起こりますが、村人たちと協力して、日々対処していきたいと思います。引き続き、ご支援どうぞよろしくお願いいたします。
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記事執筆/
海外事業部アジア事業マネージャー
江角 泰