【ラオス】環境保全と伝統的生活、生活不発弾事故と回避教育
【アジアレポート/2021年11月_Topic03】
テラ・ルネッサンスは、ラオスのシエンクワン県において、幼い子ども向けの不発弾回避教育を行っています。対象とする7か村の内6か村における1回目の回避教育は7月に実施しましたが、残る1か村であるナーカムペン村は11月になってしまいました。回避教育の実施が遅れた原因は、村役場側と村人側の間の揉め事でした。
ナーカムペン村は、少数民族のモン族の村です。モン族は中国南部からインドシナまで広い地域に広がり、欧米やオーストラリア等への移民も多いですが、美しい刺繍を施した美しい伝統衣装が特徴で、また森と共存する伝統生活がここラオスでは今も残っています。今回は環境保全のために自由な森の使用を制限する行政側と伝統的な森使用を求める村人側の間で揉め事でしたが、モン族の持続可能な森との共存生活を体験したことがある私の考えとしては、行政側に村人の伝統生活を守れるように配慮してほしいと考えています。でも、とりあえず今回は大事にならず、話し合いで解決できて何よりです。
更にラオス政府の活動規制の影響もあり、同村での回避教育は2021年11月17日、19日の2日間になってしまいましたが、回避教育自体は大いに盛り上がり、子ども達も大喜びでした。
しかし非常に悲しいニュースが、回避教育が終了した2日後に飛び込んできました。回避教育の前日の11月16日に、同村で不発弾爆発事故が発生し、5歳男児(年中の年齢)、6歳女児(年長の年齢)、8歳の男女2名(小2)の子ども4名が負傷しました。5歳児が不発弾を見つけ、それを8歳児が捨てようとして放り投げ、爆発しました。
私たちの回避教育に効果があることを示すには、もっと活動を続け、データをとらないといけませんが、小さい子ども達の反応もとても良いので、せめてもう1日回避教育が早くできていたら、事故が防げたのではないかと考えてしまいます。回避教育の対象年齢の子ども達が被害にあったことは、本当にショックですが、これからも活動を継続します。
【回避教育前の不発弾に対する理解度を測る事前意識調査】
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記事執筆/
海外事業部
飯村 浩