【カンボジア】多様な収入源を確保するために障害者世帯のフォローアップ調査
【アジアレポート/2021年12月_Topic01】
カンボジア、バッタンバン州カムリエン郡の地雷埋設地域の脆弱な障害者世帯への生計向上支援の対象100世帯へのフォローアップ調査を12月に実施しました。
2021年前半に亡くなった息子さんの葬式代のためにヤギを全て売ったスヴァイ・ヤットさん(写真左)
に貸し出したヤギの状況を確認する農業専門家(写真右)
ヤギの飼育は、順調に進んでいる世帯が多く、新たに希望する世帯もまだあります。
事業実施中には、自分は鶏飼育しかやらないと言っていたダック・サヴァンさんの世帯も、同じ村で障害者以外の村人たちもヤギ飼育を始めていることから、ヤギの貸出を希望してきました。
ダック・サヴァンさんと同様に車椅子の生活で、ヤギの飼育が難しく、1年目にヤギの貸出を受けたにも関わらず、2年目に辞めたドル・キエンさんの世帯も、ヤギの飼育を際希望したため、12月に他の世帯から返却されたヤギを貸し出しました。
各世帯の生活は、コロナ禍で急激に変化します。それに対応できるように、家畜を提供してしまうのではなく、貸し出して、返却してもらうことで、継続して支援できる制度の構築をした意味がありました。
また、健康面で脆弱な世帯が多いですが、その治療費をヤギを販売したお金で当てることができた世帯もいます。ヤギを飼育していなければ、借金をする必要がありました。
9-10月に感染症などの影響を大きく受けた養鶏は、農業専門家の教える薬草発酵液を活用できている世帯は、病気の予防、治療もできていました。
コロナ禍の始まる前に近所同士でグループ化し、共同で薬草の発酵液を作る活動をしていましたが、コロナでできなくなっていました。通常に戻りつつあるカンボジアでは、またグループごとに薬草の発酵液を製作することを、各世帯と確認しました。
ハリナシミツバチの分蜂も、12月から開始し、一度弱くなっていたコロニーも、また回復している世帯がいるのを確認しました。また10世帯から始まった、牛の飼育世帯も25世帯に拡大し、これから収入に繋がっていくと考えています。
収穫した龍眼の値段が低いことを嘆いていたウム・ライさんの世帯は、一度止めたヤギ飼育を2021年に再開
今年は、対象地域で栽培されている龍眼が、コロナ禍で輸出できないために、栽培されたものの値段が下落し、収益が出ない状況に陥っています。
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記事執筆/
海外事業部アジア事業マネージャー
江角 泰