【カンボジア】「2025年地雷フリー・イニシアチブ」を達成するために
【アジアレポート/2021年12月_Topic03】
カンボジアでは、都市部での経済発展の一方で、まだ内戦中に埋められた地雷が残されている地域があります。テラ・ルネッサンスが活動するバッタンバン州では、農村部に残された地雷撤去支援を地雷撤去団体MAGと提携して進めています。
今年度は、MAGの機械を使用した撤去チームの年間の活動費を提供しています。2021年10月〜12月の第3四半期の報告書が、MAGから届きましたので、地雷撤去の状況をご報告します。
→詳細はこちらのMAGからの活動報告書をご覧ください。
MAG第3四半期報告書 日本語版
英語版
【バッタンバン州サムロート郡の地雷原で地雷撤去をする”中型地雷ウルフ”と名付けられた機械】
MAGは、いくつかの地雷撤去用の機械を使用していますが、第1四半期では、Digger-250という機械を使用するチームへの活動費を提供しました。しかし、MAGからカンボジア東部ラタナキリ州での地雷&不発弾撤去において、Digger-250を使用する必要性が出てきたことから、バッタンバン州で活動する”中型地雷ウルフ”という機械を使用するチームへ変更してほしいというリクエストがきました。
テラ・ルネッサンスでは、現場で活動してきたなかで、常に状況は変化し、その変化に柔軟に対応していく必要性をよく理解しており、MAGが地雷撤去を進めていく上で、一番いいやり方を実施していけるように支援しています。
そこで、MAGからのリクエストを承認し、第2四半期以降は、”中型地雷ウルフ”という機械を使うチームへの資金提供に変更しています。
この”中型地雷ウルフ”機械操縦チームは、第3四半期中、バッタンバン州で最も地雷に汚染されているサムロート郡のオウ・タティエク村の地雷原での撤去活動を実施しました。
この機械チームによって、第3四半期中に99,259㎡の土地を安全にし、16発の中国製の対人地雷タイプ-72が撤去されました。これによって、第1四半期から第3四半期までを通して、合計474,444㎡の土地を安全に撤去できました。これは、この事業で目標としていた380,000㎡の125%をすでに達成しています。
【バッタンバン州サムロート郡の活動地域で見つかった地雷】
カンボジア政府は、2025年までにカンボジアの国内の地雷をすべて撤去する”2025年地雷フリー・イニシアチブ”を掲げています。バッタンバン州では、2021年8月24日時点で、135㎢の地雷原が残されていると推定され、まだ目標を達成するためには、大きな努力が必要になっています。村人たちの命と生活を守り、安心して生活できる社会を実現するために、引き続き、カンボジアの地雷問題への関心をお寄せください。
---------------------------
記事執筆/
海外事業部アジア事業マネージャー
江角 泰