【ラオス】2年次菌糸培養訓練
【アジアレポート/2022年1月_Topic03】
ラオス事業の2年次キノコ栽培メンバーを対象としたキノコの菌糸培養訓練が、2022年1月18日より多機能型協働施設で始まりました。2年次の裨益者として不発弾爆発事故の被害者やその家族、人身売買の被害者、低所得者家族より10名が選抜されました。
シエンクワン県ペック郡副郡長による訓練開講式(写真1)に続いて、キノコ菌糸培養の理論講習が行われた後、訓練参加者はジャガイモを原料としたPDA寒天培地を作成して、高圧滅菌しました(写真2)。
写真1:2年次きのこ栽培および菌糸培養訓練開講式(多機能型協働施設)
次にPDA培地にキノコの組織を植えて、菌糸培養の準備は完了です(写真3)。
通常は2週間程度で、真っ白な菌糸がPDA培地いっぱいに広がり、次のキビ培地での菌糸培養に進めますが、冬はとても寒冷なシエンクワン県では時間がかかりそうです。今後はキノコ栽培専門家とともに菌糸の培養の状態を随時確認していきます(写真4)。これと平行して、キノコハウスの設置も行いながら、最終的には1年次裨益者と同様に、菌床パックを自宅敷地に設置したキノコハウスで栽培、収穫する体制を整えます。
シエンクワン県でも、地元市場などにおいて、キノコは比較的容易に手に入る食材ですが、需要に対し、供給が追いついていない状態ですので、本事業のメンバーにとってはビジネスチャンスだと思います。今後は技術的なサポートだけでなく、収支の計算や記録、スモールビジネスのサポートを1年次裨益者と同様に続けていくことで、収入向上を目指します。
写真3:きのこの組織を培地に移植し、培養する
現在も膨大な量の不発弾が残存するラオスでは、肥沃な土壌を十分に活かせず、限られた土地での農業による限られた収入により地域住民は生活しています。
テラ・ルネッサンスのキノコ栽培による収入向上は、広い土地を利用せずに一定の収入を得ることを目指す取り組みの1つです。今後は更なる活動を展開し、多様な収入源を確保することで、地域住民のレジリエンスを高めことを目指していきます。
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記事執筆/
海外事業部
飯村 浩