【活動レポート#03】ウクライナ難民緊急支援
テラ・ルネッサンスは、3月15日にウクライナ・コンゴ危機緊急支援を開始し、3月17日と4月3日にハンガリーにスタッフ(佐々木、吉田、小川)を派遣しました。今回のレポートでは、3月31日から4月6日までの支援活動を、まとめてご紹介いたします。
*活動レポート#02は[こちら]から
■3月31日から4月6日までの活動レポート
4月1日には「ウクライナ・コンゴ危機 第1回緊急支援報告会」をハンガリーからの中継で行いました。皆様、ご参加くださいまして誠にありがとうございました。
また、3日には、先にハンガリーに入国していた吉田・佐々木に続き、小川も入国し、合流しました。この1週間は、3月末より行っている、ウクライナ西部地域のニーズ調査および物資輸送を引き続き行いながら、吉田・佐々木から小川への引き継ぎも交え、今後の計画を立てました。
具体的に分かってきたニーズと、支援計画は以下の通りです。
■ウクライナ難民のニーズ調査および今後の計画
私たちは、特に取り残された人々に着目しながら、ニーズ調査および支援活動を展開しています。
調査を進める中で、ウクライナ難民の中には非常に大きな格差があることが分かってきました。自家用車で越境し、自分のお金でホテルに滞在している方がいる一方で、徒歩で移動し、国境付近で支援物資に頼って生活せざるをえないような方や、ウクライナ西部に取り残されている方など、状況は多様です。
【ハンガリーにある小さな村の体育館に避難している、少数民族ロマの子どもたち】
ウクライナから移動できる人とできない人の差は、主に経済的理由と身分証明の2つです。
ハンガリーに身寄りがなかったり、ハンガリー語が話せなかったりする上に、貧しい方々は、ハンガリーに入国できても、国境付近に滞在せざるを得ない状況になっています。ハンガリーとの国境付近の村では、首都ブダペストや第三国にまで行く経済的余裕のない方々が、ボランティアの人々の家に身を寄せて生活しています。また、このような状況にある難民には、マイノリティーの方々が多く見受けられます。
国境では、状況に合わせてパスポートは不要であることが多く見られますが、最低限の身分証明書がないためにウクライナ西部にとどまっている方がいます。
また、ウクライナ西部に調査に行ったところ、ウクライナ国内に取り残されている人々の中にも、マイノリティーで経済的にも非常に困窮している人たちが多くいることがわかりました。
以上のように、マイノリティーや貧困などにより、一層困窮した状況にある方々がいることが分かりました。そこで、そのような方々へ物資支援等を実施しています。
【ハンガリーの難民支援施設で、支援物資を運ぶ様子】
ただ同時に、ウクライナ難民を受け入れている周辺国の地元の人たちへの支援も必要であると感じています。難民を受け入れている地域では、人口が増え、物価が高くなっています。それでも、周辺国の地元のマイノリティーの方や、貧困な方々も、ウクライナ難民を自分の家に受け入れています。
こうした地元の方たちに大きな支援が見られない状況に対して、物資支援の仕組みづくりを行うことで働きかけたいと考えています。そのために現在は、支援物資の調達の調整と、ウクライナ西部のトランスカルパチア地方に向かう準備をしています。
■「いのち」を守る支援にご協力ください
ウクライナ難民は日々増え続けていますが、中でもより脆弱な状況に置かれた、支援の届きにくい人に少しでも必要な支援を届けることができればと思っています。そのために私たちは、ウクライナ難民の状況を丁寧に調査し、寄り添い、支援を続けていきたいと思っています。
テラ・ルネッサンスは、「いま」、「平和への願い」を結集し、「いのち」を守るために、ウクライナ・コンゴ危機緊急支援を実施しています。
「すべての生命が安心して生活できる社会(=世界平和)の実現」。
―テラ・ルネッサンスのビジョン(設立目的)です。