【活動レポート:コンゴ】Cash for Workを通して整備していた市場が完成!!
コンゴの南キヴ州・中央カサイ州では、UNDPとのパートナー事業「洪水とコミュニティ間紛争の被害を受けたコミュニティに対する強靱な回復力および安定性の強化を通じた早期回復の支援プロジェクト」を、2021年9月より実施しています。
先日、中央カサイ州ディンべレンゲで、地元の脆弱層の方々の建設作業への参加 (cash for work*) を通した市場整備が完了しました!
*Cash for Work:災害や紛争の影響を受ける人々を対象に、コミュニティに貢献するような仕事 (work) を提供し、その対価として現金 (cash) を給付する形の支援
■プロジェクトが実施された背景
中央カサイ州と隣接するカサイ州では、2016年から2018年にかけて紛争が激化し、さらに2019年から2020年にはアンゴラ政府により追い返されたコンゴ難民約10万2000人が流入したことで、さらに不安定化しました。
そして、この地域では2020年4月から、土地や森林の支配をめぐって地域間の暴力も続いており、殺人やレイプ、家屋への放火、畑荒らしなどにつながっています。コミュニティの住民たちは、攻撃を恐れて森林を利用しなくなったことで、貧困も悪化し、現金収入を得るために紛争に参加するリスクも高まっています。彼らは何年もの間、命と暮らしの危機に直面しているのです。
今回のプロジェクトは、これらの地域間紛争の影響を受ける中央カサイ州の人々と、深刻な洪水の影響を受ける南キヴ州の人々、そして彼らが暮らすコミュニティのレジリエンスを向上させるためのものです。
具体的には、
・橋や保健センター、市場などのコミュニティ・インフラの回復、再建
・マスクや石鹸、油などの加工・製造のための技術訓練、所得創出
・災害リスクの啓発、早期警戒システムの改善
などを目的としています。
■新たな市場ができるまでーBefore/Afterー
中央カサイ州ディンべレンゲで現在使われている市場は、写真のようにボロボロな状態です。
新たな市場を作るために、地元の方々は、日々汗を流しながら建設作業に励んでくれました。大きな機材は使わず、彼ら自身の手を使って、作業に加わってもらいました。
彼らに支払う賃金の半分は毎週支給し、残り半分は貯蓄に充ててもらいます。そうすることで、この仕事が終わったときに、個々人の仕事やビジネスにそのお金を役立ててもらうことができるのです。
このプロジェクトは2022年7月で終了予定です。市場の運営管理体制の整備も全て完了しており、来月引き渡し式が行われます。その後、この新しい市場で、村の人々(主に女性たち)が仕事をできるようになります。
この市場にたくさんの商品が並び、地元の方々のにぎやかな声と笑顔で溢れる日が、楽しみですね!
今後の様子もまた随時報告していきます。
報告/
理事長・海外事業部長 小川真吾
テラ・ルネッサンスは、ウクライナの難民(避難民)の方々への食料・日用品の支給、炊き出し拠点の設置等の緊急支援だけでなく、避難生活が長引くことを鑑み、難民(避難民)等の生計向上のための支援も実施することを決定しました。
そのため、隣国ハンガリー・ブダペスト市に事務所を開設し、腰を据えた中長期的な支援活動を開始します。
同時に、弊会の活動地であるコンゴ民主共和国(以下コンゴ)を含む、ウクライナ以外の国・地域の紛争や、その影響を受ける人々の「いのち」が忘れられるという状況は、決してあってはなりません。
なぜなら、紛争で奪われる「いのち」や「暮らし」に、区別はないからです。
そこで、20年以上もの間紛争が続き、多数の方々が人権侵害や貧困に苦しんでいる、コンゴの紛争被害者の支援も強化することにしました。
これらの活動経費として、7月31日までに4,000万円のご寄付の呼びかけを開始します。
現地の最新状況、支援報告は、ウェブサイト、SNSを通じて随時発信していきます。
皆さまのご理解・ご協力を、どうぞよろしくお願い申し上げます。