【活動レポート:コンゴ】中央カサイ州で建設していた診療所が完成!!
コンゴ民主共和国・中央カサイ州では、2021年9月から実施するUNDPとのパートナー事業「洪水とコミュニティ間紛争の被害を受けたコミュニティに対する強靱な回復力および安定性の強化を通じた早期回復の支援プロジェクト」の一環として、地元の方々によるcash for workを通した、コミュニティの診療所建設を進めてきました。
*cash for work:災害や紛争の影響を受ける人々を対象に、コミュニティに貢献するような仕事 (work) を提供し、その対価として現金 (cash) を給付する形の支援
この地域は、現在も紛争の影響(貧困、食糧不足)を強く受けており、多くの方々、特に5歳以下の乳幼児が、予防・治療可能な下痢やマラリアなどにより日々亡くなっています。
そして、現在利用されているコミュニティの診療所は、ボロボロの小屋のような状態で、ベッドもなく、雨漏りのする、最悪の衛生環境でした。
点滴をする設備もなく、軒下から点滴を吊るして治療している状況です。
一人の医師が必死に対応していましたが、「医師としての自分の技術があっても、ベッドさえなく、十分な設備が整っていないことで助けられる命も助けられない」と嘆いていました。
そこで、地元の人々にもcash for workとして建設作業に関わってもらい、ようやく、設備の整った診療所が完成しました!
雨季になり、道路状況がかなり悪くなっており、1回目のトラック運搬では、スタックするたびに道路を整備しながら、スタックしなければランクルで5時間ほどで到着する距離を、2週間かけて運びました。それでもなんとか最後のトラックによる運搬が終わり、ベットなどを無事に運搬、搬入することができました。
ベッドや分娩台、トイレ、太陽光発電パネルの設置が完了し、あとは外壁のペイントや内装、諸々の設備を整えて、ここでの診療活動が始まります。
これで医師も、以前よりまともな環境で診療をすることができるようになります。これは、紛争の影響を受ける人たちの「いのち」と「暮らし」を守ることに直結する、非常に重要なステップです。
今月中にこれらを全て完了させて、引き渡し式を行う予定です。今後の様子もまた随時報告していきます!
報告/
理事長・海外事業部長 小川真吾
テラ・ルネッサンスは、ウクライナの難民(避難民)の方々への食料・日用品の支給、炊き出し拠点の設置等の緊急支援だけでなく、避難生活が長引くことを鑑み、難民(避難民)等の生計向上のための支援も実施することを決定しました。
そのため、隣国ハンガリー・ブダペスト市に事務所を開設し、腰を据えた中長期的な支援活動を開始します。
同時に、弊会の活動地であるコンゴ民主共和国(以下コンゴ)を含む、ウクライナ以外の国・地域の紛争や、その影響を受ける人々の「いのち」が忘れられるという状況は、決してあってはなりません。
なぜなら、紛争で奪われる「いのち」や「暮らし」に、区別はないからです。
そこで、20年以上もの間紛争が続き、多数の方々が人権侵害や貧困に苦しんでいる、コンゴの紛争被害者の支援も強化することにしました。
これらの活動経費として、7月31日までに4,000万円のご寄付の呼びかけを開始します。
現地の最新状況、支援報告は、ウェブサイト、SNSを通じて随時発信していきます。
皆さまのご理解・ご協力を、どうぞよろしくお願い申し上げます。