【ラオス】学校での回避教育
【アジアレポート/2022年5月_Topic02】
これまで、不発弾回避教育のことを英語では『Mine Risk Education(MRE)』という言葉で表してきました。Mineとは地雷のことで、地雷のリスクを学ぶ教育という意味です。しかし近年は『Explosive Ordnance Risk Education(EORE)』という言葉をよく使うようになっています。これは爆発物のリスクの教育ということで、爆発物回避教育とも呼ばれることがあります。
他団体では、主に小学生以上を対象にEOREを行っているのに対し、テラ・ルネッサンスは幼稚園児や村の3〜5歳の幼児も対象としています。ラオス不発弾処理国家統制機構(NRA)の局長は、3、4歳児のEOREの理解度を懸念されていましたが、私からその効果についてご説明したところ、納得いただけたようでした。そして、次の事業の継続にも協力してくださるということです。
↑鍬ではなく鋤を使おうという歌(幼児に合った歌か?)
↑幼稚園児に不発弾の紙芝居の読み聞かせをするスタッフ
ラオスの特に地方では、みんなが幼稚園に通える訳ではありませんが、近年は多くの小学校に、年長組にあたる小学校準備クラスが併設されるようになりました。私はEOREを通して現場の先生と話す機会も多いのですが、教室の不足や何年間もほぼ無給で教えている採用割り当て(Quota)待ちの先生が多くいるのは、大きな問題です。文具や教材、制服も十分とはいえませんし、先生方は遊具も欲しいと言っています。学校によっては、児童数百人あたり2-3室のトイレしかない場合もあり、トイレに長蛇の列ができることも。
ここラオスにおいても、やはり教育は国家の基盤だと思います。子ども達がより良い環境で学べるように、そしてまずはEOREにより爆発事故に遭わなくなるように、スタッフ一同日々活動を続けています。
---------------------------
記事執筆/
海外事業部
飯村 浩