【ラオス】不発弾と回避教育

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【ラオス】不発弾と回避教育

【アジアレポート/2022年6月】


テラ・ルネッサンスの活動地のうちの一つ、ラオスのシエンクワン県は世界で最も不発弾に汚染された地域の一つです。国内外の専門機関が不発弾撤去活動を常に行なっていますが、いつになったら不発弾が全て撤去され、地域住民が安全に暮らせるようになるのかは、全くの未知数です。

国内外の団体による回避教育の甲斐もあってか、子どもも不発弾を見つけたら親や先生に知らせるようになっていますし、農作業などで村人が不発弾を見つけた情報は村事務所に伝えられます。しかし、撤去されない不発弾がいくつも村には残っています。村人にも情報は共有され、木の枝等を差して目印にして、爆発事故に遭わないように工夫しています。では、なぜ撤去されていないのでしょうか。
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↑ブアックゴップ村の高台

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↑ブアックゴップ村の高台で見つかった不発弾(木を差して目印に)


膨大な数の不発弾が残存するラオスでは、不発弾を発見した場合のホットライン「1603」がありますが、これは首都ビエンチャンの不発弾処理統制機構(NRA)に直接繋がるため、シエンクワン県の不発弾部門まで連絡が行き、不発弾が撤去されるまでに長い時間がかかってしまいます。そのため村人は撤去の申請をせず、自分たちで気を付ける方を選ぶケースもあるのです。

先日、回避教育の実施地であるナーカムペーン村で案内してもらった不発弾のうちの一つは、雨季の大雨で路肩から露出したようで、高さ1メートル以上の場所にちょこんと乗っかっている感じでした。今にも転げ落ちそうで肝を冷やしました。そこで私は県の不発弾部門に直接連絡してもらいました。
 
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↑ナーカムペーン村の転げ落ちそうな不発弾


キノコ栽培メンバーであるヨンポーリーさん(向かって左)の中学生のお嬢さん(向かって右)は、昨年2021年7月、テラ・ルネッサンスが回避教育をするわずか11日前に不発弾事故に遭い、重傷を負いました。右目ははっきり見えず、左手の甲には破片が一つ残っていてとても痛いそうです。また右腕は複雑骨折してしまい、ビエンチャンの病院で手術を受けましたが、1年たった今でも常に痛く、時には涙を流すほどの激痛があるため、お父さんは可哀想で見ていられないそうです。日本や隣国のタイなら、もっと良い治療ができるのにと考えてしまいます。

不発弾事故は何としても防がないといけません。医療体制や社会保障が整っていないラオスでは、特に大きな影響をいつまでも残すのです。テラ・ルネッサンスはラオスで末長く回避教育を継続する仕組み作りにも取り組みます。
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↑回避教育のわずか11日前に不発弾事故に遭った少女とその父親

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記事執筆/

海外事業部

飯村 浩

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