【活動レポート:ウクライナ】「ウクライナの姉妹病院へ医療物資を届けたい!」洛和会音羽病院(京都)の挑戦に協力。無事に物資が届きました!
2022年5月、テラ・ルネッサンスがハンガリーに拠点を置き、ウクライナ難民・避難民への支援を本格化させようというタイミングで、一本の電話が入りました。
同じ京都にある洛和会音羽病院(洛和会ヘルスケアシステム)さまが、ウクライナの首都キーウにある「クリニカ第10病院」へ、医療物資を送る方法を探している、というものでした。
公的機関や物流会社など様々なところに問い合わせたそうですが、当時はウクライナに直接物資を輸送する方法がほぼなく、行き詰まったところ、弊会がウクライナ西部で活動していることを知り、問い合わせて下さったそうです。
とはいえ、私たちが活動しているのはウクライナ西部。戦時中ということもあり、首都キーウまで寝台車で16時間ほどかかります。
また、私たちの活動の軸はウクライナ難民・避難民の中でも取り残された人々に支援を届けることであり、人的・資金的リソースも限られています。当時も今もですが、ウクライナ西部で避難生活を送る方々や彼ら・彼女らを受け入れる方々の生活は厳しく、可能な限りそちらへ支援の手を回したいという気持ちもありました。
(写真:弊会活動の様子2。避難生活を送る方々の生活環境を整えるために、資材を運搬する。)
しかし、洛和会の皆さまが、クリニカ第10病院のことを真剣に想い、行動されている様子を見て、微力ながらお力になれたらと、輸送方法の調査にご協力することになりました。
そこで、弊会スタッフの縁で、商船三井ロジスティクス株式会社さまにご相談したところ、快く輸送をお受け下さいました。
(当初、ハンガリーまで送ってもらって、そこから弊会のスタッフが車や電車でキーウまで運ぶことも想定しておりましたが、今考えたら少々無謀だったかもしれません。。)
その後、医療物資の調達から梱包、税関を通すための様々な書類の準備・手続き、輸送のタイミングの調整などなど、洛和会の皆さまの大変なご苦労の末、メスや針、手術用ガウン、関節鏡ドレープなど、全部でダンボール106箱が、関西国際空港から飛び立っていきました。
(写真:関西国際空港にて。洛和会の皆さまと、輸送にご協力くださった商船三井ロジスティック株式会社の皆さま。)
そして8月20日、全ての支援物資がウクライナ・キーウのクリニカ第10病院に届きました!
数日後、弊会のハンガリースタッフが病院まで足を運び、様子を伺ってきたところ、今回の医療物資の支援は大歓迎も大歓迎で、感謝を通り越して感動の嵐だったそうです。
私たちは輸送方法の調査・調整にご協力したのみだったのですが、病院が簡単なセレモニーを開いて下さり、そこにはウクライナ厚労省とウクライナ市役所からも来賓の方がいらっしゃっていました。院長先生のスピーチの後、弊会のスタッフも大変僭越ながら日本でお聞きしていた洛和会の皆さまの想いなどをスピーチで紹介させていただきました。
(写真:スピーチをするドブシュ院長。写真右から2番目。)
セレモニーでは、届いた物資がすぐにでも使える高品質なもので、説明書きもきちんと英語(読める言語)で書かれてあり、梱包も丁寧で整理・整頓されていて、洛和会の皆さまが実際に使う人のことを考えて準備して下さったことがよく分かる内容だったと、院長先生も医師も看護師も、みんな口を揃えておっしゃっていたそうです。
(実は、病院には支援物資が他からも大量に届いていたそうですが、中には中古の医療器具など、衛生的に使えないものもあり、気持ちだけありがたく受け取ることもあったそうです。さすが日本の支援は違う!と、大絶賛をいただいたとか。)
(写真:届いた支援物資を手にするクリニカ第10病院の医師・看護師の皆さん。)
支援物資の内容も、独断で用意されたものではなく、クリニカ第10病院から送っていただいた必要な物資リストをそのまま忠実にご準備されたそうで、「現場が本当に必要としているもの」を「すぐに使える状態で届けよう」とされた洛和会の皆さまの姿勢に、私たちも感動し、改めて支援の在り方を考える機会になりました。
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