【カンボジア】農協職員たち、すごく頑張っています
【2023年8月 活動レポート/カンボジア】
今年1月からJICA草の根技術協力事業としてバッタンバン州サムロート郡で実施している事業では、現地の農協に新しい職員たちを迎え入れ、彼ら・彼女らの育成を通じた農協の運営強化を行っています。
テラ・ルネッサンスが、2016年から行ってきた、地雷埋設地域に暮らす脆弱層への家畜飼育支援を、農協が中心となって運営できるようになることが目標のひとつです。
↑バッタンバン州、サムロート郡。山が多く美しい場所ですが、まだ地雷が残る地域です
今月、農協職員たちは、家畜飼育支援で重要なフォローアップ(家庭訪問)を、1ヶ月間本当によく頑張りました。フォローアップでは、2ヶ月に一度、家畜飼育世帯を訪問し、家畜の健康状態、掃除の頻度、妊娠の有無などを聞き取り・記録します。さらに今月は、家畜飼育世帯の収支バランスを見直す「ビジネス計画」を農協職員が指導するために、1年間にどんな収入があり、支出があるのかの聞き取りも行うという、忙しいフォローアップ月となりました。
フォローアップでは、エクセルとグーグルフォーム*を活用します。チームに分かれて40世帯を訪問するので、スマホとパソコンを駆使して、記録した情報が自動的に共有・蓄積されるように工夫しています。
(*Googleが提供するアンケートやフォームの作成ツール。)
↑製造担当の農協職員です。Googleフォームを使って、家畜の飼育状況を聞き取りしてくれています。
彼は、農協で働き始めてはじめてパソコンを使い始めたので、パソコンの操作にはまだ自信がなさそうに見えます。しかし、エクセルでの記録は、横からテラルネスタッフにあれこれ言われ、またスピードはゆっくりながらも、自力で記録をすることができていました!この半年間、タイピング練習を頑張ってきた彼の大きな成果です。
パソコンに向かうのは、会計担当の農協職員。突っ伏して笑う訪問先の家のおばちゃんの様子から、うまくコミュニケーションをとってくれていることがわかります。彼女は、パソコンの操作には慣れているので、さらに会計作業に役立つ数式やショートカットなどをどんどん覚えていってほしいです。
他にも、常に農協に居なければいけない警備担当の職員も参加できるよう他の職員が彼と交代で警備をしたり、パソコンが苦手な職員をサポートができるようにチームメンバーを交代したりと、彼ら・彼女らのチームワークも垣間見れた1ヶ月でした。
数ヶ月後には、家畜の子が生まれ始め、それらの把握・返却*が始まるので、より正確な記録と共有、チームワークが重要になってきます。
(*本事業では、支援で渡した家畜の頭数と同じ頭数を農協に返却してもらい、返却した家畜を、農協が次の世帯に支援します。)
事業開始当初は、彼ら・彼女らの人柄もわからず、どんなチームになるのか未知数でしたが、それから半年が経って、職員たちがお互いに協力し合っている姿を見て、いいチームになるだろう、と頼もしい気持ちになりました。農協と新しい職員たちの力が合わさり、農協がよりしなやかに運営されていくよう、引き続きサポートしていく予定です。
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記事執筆/
海外事業部
津田 理沙