【ウクライナ】総合福祉センターの建設
【2025年3月 活動レポート/ウクライナ】
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2025年3月末、三日間のウクライナ出張で新しいキッチンポイントの予定地である、ベレホヴェ市の福祉施設の建設状況を視察して来た。去年は物価高や円安をはじめ、人手が足りない上、やっと確保できた建設作業員も徴兵されていなくなったり、とにかく頭を抱える事案が多く、工事も大幅に遅れてしまったが、今年に入ってからは着実に進んでいる。


【現在の総合福祉センターの様子】
日本では計画通りに工事が進む事が普通であるが、いつも、何かが起こるウクライナで、何も問題無く順調に案件が進んでいると逆に不安になったりする。そろそろ何かあるんじゃないか、と警戒していたら思いがけないところから、想定外の横槍が入った。アメリカのトランプ大統領のUSAID閉鎖をはじめ、世界各国に対する関税の大幅アップはウクライナの状況にも影響を及ぼす事が確実だ。無論、良い影響ではない。
人道支援が滞りインフレが加速すると、ただでさえ生活に苦しむ難民や、取り残された高齢者、前線から西部まで逃げてきているシングルマザーなど、社会的弱者の立場はさらに悪化する事は確実だ。彼らの境遇を考えると、福祉施設の厨房と心の拠り所となる礼拝堂は何が何でも完成させる必要がある。
9月からのキッチン稼働を目標に、週末も工事を続けている作業員たちのモチベーションは高い。屋根や外壁の断熱、電気工事、上下水、暖房設備は既に完了し、今は厨房の内装工事を行っている。タイルが貼られると、完成時のイメージが出来、期待が膨らむ。

【週末も作業を続ける作業員】
余談だが、2月末から3月上旬にかけ、アフリカからコウノトリも引っ越して来る。センターに近いところのコウノトリ夫婦は既に巣作りを完了させ、母鳥が卵を温めている。

【福祉センター近くにできたコウノトリの巣】
「小鳥たちが巣立つ頃には!」
地元のおばちゃんたちが心を込めて作った料理を、近隣の村の受益者たち一人一人に届ける模様を、思い描いてきた。
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記事執筆/
海外事業部 ハンガリー事務所長
コーシャ バーリン・黎