【特別レポート】世界最貧国から世界平和への旅を届ける
【2023年度特別募金】【ブルンジ事務所長・川島綾香からメッセージ】
いつもあたたかく見守ってくださりありがとうございます。ブルンジ駐在員の川島です。今日は、国民の多くが1日1食かそれ以下の質素な暮らしをしている世界最貧国ブルンジから、お届けしています。
時が経つのは早いもので、今月で私が駐在をはじめて丸2年が経ちます。日々ブルンジの人達と共に働き暮らす中で感じていること共有したく、3分だけお時間をください。
【写真:ブルンジ事務所メンバー】
皆さま、最近は日々どんなお気持ちでお過ごしでしょうか?私は先日ガザで活動していて今は国外退避中のNPOスタッフの方の報告会に参加しました。「ガザにいる現地スタッフから、最後の遺言のようなメッセージが連日届き始めた」と話されていました。
ブルンジでも2015年にクーデターが起きた際、当時の駐在員が緊急退避したことがあります。もし今こんな事態がブルンジで起こったら、もし自分の家族や大切な人達がそんな事態に巻き込まれたら...、想像すると胸がぎゅっと苦しくなりました。いつだって、目の前で苦しんでいる人は自分や友人だったかもしれないと思います。
そして、今少なくとも戦闘は起きておらず、紛争地と比較して命の危機は少ないブルンジで、私が活動する意味って何なんだろうか?そんなことも考えました。
ブルンジは1962年ベルギーから独立後、植民地時代につくられ煽られた民族対立が激化しました。その結果1993年に勃発した内戦で約30万人が亡くなり、約1万6000人が子ども兵として徴用されていたと言われています。
80-100万人と言われる人々が犠牲になった隣国ルワンダの内戦がジェノサイド認定され世界中から注目を集め、復興のための支援もたくさん集まったのに対し、ブルンジはその影で注目されず国際社会からの支援も十分に得られていない国でした。これが私たちがブルンジで活動を始めた理由であり、今でもブルンジ国内唯一の日本のNGOとして活動を続けています。
ブルンジの今は、表面的には治安を取り戻し、外交的な新大統領によって以前よりは国外との関係性もよくなってきました。しかし国際社会からの注目度は良くも悪くも低く、東アフリカの他の国々と比較すると援助機関や投資ビジネス機関は少ないのが現実です。
統計でみても一人当たりGDPは193カ国中193位(IMF 2022)、今年に入って平均インフレ率は約30%と物価高騰の波が押し寄せており、総人口86%をしめる約1075万人の農業従事者の中には、1日1食の食事も満足に取れない人達がたくさんいます。国民の半数以上がいつもお腹を空かせています。
【写真:ブルンジの国内避難民キャンプで暮らす人々の家】
ブルンジの現状を改めて見つめ直したとき、紛争地と比較することをやめようと思いました。今この瞬間に命の危機がなければ平和でしょうか?それは第三者が一つの物差しで測れるものでしょうか?
今読んでくださっている皆さまも含めて、国籍や性別にかかわらず、私たち一人ひとりが一人ひとりの置かれたその場所で、その人にしか分からない苦しみや喜びを抱えてながら生きています。
だったら大事なことは、自分の物差しで現状を測ったり比較したりするだけではなく、今自分の目の前にいるブルンジの人達の苦しみや喜びに全力で寄り添いそこから学ぶこと、自分ができなくても他の人が取り組んでくれている課題の解決に間接的に協力すること、そして次世代に、平和への意思と行動とその結果を繋いでいくことだと思いました。
そんなことを思いつつも、正直、世界平和への道のりは気が遠くなるほど遠く、いっそ諦めた方が気が楽になるんじゃないかと思う瞬間もあります。グローバルな世界は見えないところでも繋がっていて、問題は複雑で解決に向けた明確なルートもなく、状況の変化に応じて試行錯誤と選択をし続ける日々だからです。
ある日、弱音を吐いた私にファンクラブ会員としてテラ・ルネッサンスを応援してくれている友人が言ってくれた言葉があります。
「テラ・ルネッサンスは多角的に地道に活動するからこそいい意味で先が見えなくて、だから活動にも一人ひとりにもいろんな可能性があるんじゃないの?私はそんな活動を一緒に見守っていきたいと思っているし、先が見えないからこそ先が楽しみだよ」
そうか、先が見えないことを楽しめばいいんだ。大事なことを思い出させてもらった言葉でした。
【写真:洋裁を学んでいるブルンジの元ストリートチルドレン達】
私はこのテラ・ルネッサンスの活動を通して、まだ誰も見たことがない世界平和という新境地への現在進行形の旅を、皆さんにお届けしたいです。今このメッセージを読んでくださっている皆さまと支援対象者とテラ・ルネッサンス職員と、一緒に泣いて笑って、この先のきっと美しい豊かな景色を見に行きたいです。
しかし今、私たちの旅は昨年12月の弊会サイトへの不正アクセス問題や急激な円安によって歩みが止まろうとしています。けれども、どんなに向かい風が強くても、どんなに小さな一歩でも、進み続けることを止めたくありません。
どうぞ平和を目指す仲間として一緒に旅を続けてください。お寄せいただいた想いとご寄付は、ブルンジをはじめとするテラ・ルネッサンスの活動を通して現地の人の笑顔へ、皆さんと一緒に「世界平和の実現」へと繋ぎます。
テラ・ルネッサンス
川島綾香
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