【カンボジア】大切な村の未来を決めるミーティング
【2023年11月 活動レポート/カンボジア】
バッタンバン州カムリエン郡ロカブッス村では、2016年から家畜の飼育支援をしてきました。
牛、ヤギの貸出に始まり、2年目は鶏、アヒルの貸出を開始、3年目は豚の貸出をしました。返却された家畜は、次の世帯へ貸し出すことで、飼育世帯を拡大してきました。
【提供したヤギ小屋で繁殖するヤギの様子】
2023年10月までに、貸し出したのは、152世帯。その中には、途中で家畜飼育を辞めてしまった世帯もいましたが、村の中で収入を得ることができるようになった世帯は、66世帯になります。
その他の世帯も、まだ収入には繋がっていませんが、繁殖した家畜を返却してから、販売ができるようになります。
11月8日に、ロカブッス村の村長、副村長、小学校の校長先生らと、4月以来となるミーティングを実施しました。
今年は、7月にカンボジアの5年に1度の総選挙があり、村長さんたちが忙しく、なかなかミーティングの時間が取れなかったため、私としては、ようやく大切な話し合いをすることができたという気持ちです。
【11月8日に実施したミーティングに参加する左から校長先生、村長、副村長】
8月に実施したモニタリング調査の結果、村での家畜飼育による収入は、2017年からの累計収入+鶏とアヒルの自家消費分を換算すると、US$59,943、これは目標の111.01%を達成しています。
この収入面での成果は、私も嬉しかったですし、村長さんたちも喜んでくれました。
2021年からは、公益財団法人ウェスレー財団の開発・育成活動助成金を活用して、家畜の飼育支援を拡大させてきました。2023年は、順調に家畜の繁殖、返済があり、13世帯に貸出を完了しました。
すでに今年度の予算をほぼ消化したため、今後は返却される家畜を新たに村人に貸し出す場合は、家畜小屋などの資機材の提供が、できないことを村長さんたちに伝えました。
【村のモデル・ファームで栽培された有機無農薬栽培のかぼちゃを収穫した村人】
また返却される家畜を貸し出す村人が誰もいない場合は、その家畜をどうするか、話し合う必要がありました。
しかし、その点に関しては、村長さんたちは、家畜を販売し、村のお金として貯蓄するということで、あっさりと決まりました。
もっと議論が紛糾するかもと思っていたので、少し拍子抜けでしたが、実際に家畜が返却された時にどうするかは、私たちも見守っていきたいと思います。
一方で、村の中では、家畜小屋の材料となる竹の栽培を進めることも決定しました。
【村に設置した家畜飼料を製作する機械を使って家畜飼料を製作している様子】
決して簡単ではありませんが、家畜小屋の建設も、材料となる木や竹さえあれば、器用に自分たちで作れることを、私は知っています。
そんなカンボジアの村人たちの持つ力を引き出し、村人たちが自立的に「自治」ができるよう、寄り添っていければと思います。
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記事執筆/
海外事業部
江角