【ウガンダ】野菜と心を共に育む
【2023年11月 活動レポート/ウガンダ】
皆さんこんにちは!テラ・ルネッサンス ウガンダ駐在フェローの鈴木です。
今月も、ウガンダ北東部のカラモジャ地域「コティド県」で行っている農業を通した自立支援事業についてお伝えいたします。カラモジャ地域は、半乾燥地帯に属しており降雨の量が限られています。そのため同地域は農業を通した食料生産が困難な場所にあり、飢餓と貧困が深刻な状況です。
そこで本事業では雨水を集水し、その水を活用して年中農業を行うための灌漑設備を導入します。この灌漑設備を使った農業を通して、地域住民が自らの力で安定的に食料を生産するための支援を行っています。
【今月の農地の様子】
今月から遂に灌漑設備を使った野菜栽培が始まりました!野菜栽培には「点滴灌漑」と呼ばれる手法を活用し、野菜近くに設置したチューブの穴から少しずつ集水した水を供給します。
いよいよ動き出した灌漑設備に、支援対象者の方々も心を躍らせている様子で、農地での作業が一層捗っているように見えます。
【タマネギに灌水をしている様子】
更に、貴重な水源の活用にあたり、灌漑設備の研修も行われています。支援対象者ひとり一人が灌水の時間帯や量、また灌漑設備のメンテナンスについて理解するために時間をかけて何度も研修します。これは、本事業終了後も支援対象者が自分たちの力で灌漑農業を続けていくことを目的としています。
研修を担当している現地スタッフも、支援対象者がしっかり研修内容を理解できるよう、一方通行の研修ではなく、クイズ形式や対話形式など工夫を凝らして研修を行っています。
【灌漑研修の様子】
また、飢餓や貧困が深刻なカラモジャ地域では食料援助が頻繁に行われ、現地住民の「援助依存」も深刻な課題です。そこで弊会では支援対象者に対し、援助に頼りきるのではなく、自らの力で未来をつくっていく(自立)ためのマインドセット変容を目的としたワークショップを実施しています。
こちらも自立の重要性を支援対象者ひとり一人が理解するため、何度も丁寧にワークショップを行います。9月から始めたワークショップですが、最近は支援対象者同士が自立の重要性について議論をしたり、互いを励まし合ったりと、少しずつ変化が見えています。
【ワークショップの様子】
ついに12月から野菜の収穫や、収穫した野菜の販売が始まります。農地や支援対象者ひとり一人に訪れた変化は、私たちにとって大きな励みです。
これらの変化を糧に、引き続き支援対象者、現地スタッフと一丸となって事業を進めていきますので、ご関心をお寄せいただけますと幸いです。
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記事執筆/
海外事業部 ウガンダ事業フェロー
鈴木 千花