【ウクライナ】 春の訪れとイースタ―
【2024年4月 活動レポート/ウクライナ】
今年は暖冬と言われ、真冬の日中気温も零度前後だったウクライナ西部。
最も寒い一月でも、マイナス10℃以下になることは稀でしたが、その代わり春の訪れはいつもより遅く、三月後半になっても冬用のダウンコートは手放せない日々が続きました。暖房用のブリケットや薪もニーズが絶えず配っていました。
しかし、4月に入り気温は一気に20℃近くまで上昇し、殺風景だった野原も新緑が目立つようになりました。住民や避難民の皆さまもホッと一息ついてイースターの準備に取り掛かりました。
日本ではあまり馴染みのないイースターですが、キリストの誕生を祝うクリスマスとともにキリスト教の最も重要なイベントです。十字架にかけられ、死に至ったイェス・キリストが三日後に復活した事から復活祭とも呼ばれています。
この時期は様々な式典や教会のミサが行われますが、伝統行事としてもイースター祭りが各地で開催されます。復活や再生の意味もある卵料理を多く食べ、綺麗に装飾を施したゆで卵をイースターエッグと称し贈り合います。
チョコレートで出来たチョコ卵も子供たちの間では人気なので、テラ・ルネッサンスはハンガリー国内に避難している子どもたちやウクライナに暮らす皆さまに通常の支援食材以外にたくさんのチョコエッグをイースタープレゼントとして贈りました。
【卵やウサギの形をしたイースターのお菓子】
イースターを終えると、いよいよ本格的に畑仕事の時期に入ります。
二年前から継続支援をしているハンガリーの難民施設、マリアポーチのホステルの庭先にも避難民が管理している畑があるので、野菜の種のほか肥料等も届けました。きっと今年も作物が美味しく実る事でしょう。
【マリアポーチ村難民滞在施設内の畑の様子】
このようにマリアポーチの畑は準備万端なのですが、ウクライナ西部の農地はそうではありません。長引く戦争の影響で農作業をする若者たちが徴兵されてしまい農業従事者の確保に困っているようです。
農作業の担い手が少ない中放置されている農地も少なくありません。特に今年はエル・ニーニョやラ・ニーニャなど異常気象の影響も伴いそうなので秋の収穫量を心配せずにはいられません。
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記事執筆/
海外事業部 ハンガリー事務所所長
コーシャ バーリン・黎