【ウクライナ】 ひよこを届けました!
【2024年5月 活動レポート/ウクライナ】
ウクライナ西部・ザカルパッチャ地方には身体が不自由な高齢者や、夫や息子が徴兵などによって独り身となった高齢者が多く住んでいます。ウクライナ危機以前から厳しい生活を強いられていましたが、戦争の長期化に伴う物資不足、インフレによる物価高騰、失業や収入源の減少により、生活状況はさらに悪化しています。
高齢者は月に25,000~30,000HUF(約1万円)の年金を受け取っていますが、毎月、薬代か食費か光熱費のいずれかを選ばざるを得ない状況です。最も基本的なものでさえ充分に買うことができないのです。
こうした状況を受けてテラ・ルネッサンスでは、ザカルパッチャ州に住む避難民および高齢者を対象に、週2回の炊き出しを7か所のキッチンポイントで実施しています。また低所得の高齢者向けに、医薬品購入費として50ユーロの現金給付を年に2回、160名を対象に配布しています。
そして今回、新たなプロジェクトとして、ザカルパッチャ地方に住む高齢者を対象にひよこ*を配布しました。1羽約80円のひよこ1000羽を総額500EURで購入し、支援対象者のお家へ届けました。
支援対象者は主に農村部に住む高齢者であることから、庭の雑草をエサにしてひよこを育てることができます。それぞれ秋ごろにはニワトリに成長し、最終的には各家庭の食卓に上がることを目指しています。また、配布したひよこは雄鶏と雌鶏が混ざっているため、新たに卵を産むことも期待され、食料品の物価が高騰する中で大きな支えになると感じています。
ひよこを育てる費用も手間も少なく、雛と鶏の購入価格を比べると非常に費用対効果の高いプロジェクトです。
*正確には生まれたてのひよこではなく、生後約2ヶ月の中雛(ちゅうすう)を配布しました。写真のようにちょうどヒヨコとニワトリの間のような姿をしています。
また、ひよこの配布を通して食生活をサポートするだけでなく、ペットを飼うような感覚でひよこを育ててもらうことで、独り身の高齢者にとって癒しの存在になることも期待しています。
【1000羽のひよこたち】
今回のご報告は以上です。引き続き、ひよこプロジェクトの経過をブログを通してお伝えしていきます。こうした支援活動を続けることができるのも、日々心を寄せてくださっている皆様のおかげです。「誰一人取り残さない支援」を目指し、これからも活動を続けてまいりますので、今後とも応援していただけますと幸いです。
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記事執筆/
海外事業部 ウクライナ事業担当
冨嶋ひより