【ウガンダ】順調に進む、元子ども兵12期生社会復帰支援!
【2024年6月 活動レポート/ウガンダ】
私たちは2005年からウガンダで「元子ども兵社会復帰支援」を実施しています。これまでに、251名の元子ども兵が社会復帰を果たしてきました。
昨年からは、テラ・ルネッサンスの支援を通して自立を果たした元子ども兵らとともに、隣国に残っている兵士(多くは元子ども兵)らに、ウガンダへの帰還を呼びかけてきました。
その結果、ウガンダで誘拐された元子ども兵とその家族141名が無事帰還できました。
2024年3月には帰還した元子ども兵 (12期生・ 計58名)に対して職業訓練開始のオリエンテーションを行い、本格的な社会復帰支援を開始しました。彼ら彼女らはこれから一年半にわたって、私たちの施設で職業訓練を通した自立を目指します。
訓練開始から3ヶ月が経過しました。当初はなかなか周囲に馴染めず、心を開かなかった生徒たちもいましたが、少しずつ笑みが溢れる場面も増えてきています。
まずは洋裁クラスです。まだ訓練は序盤ですが、着々と技術を身につけている姿が印象的でした。写真の彼は、すでにシンプルなデザインのバッグを制作できるようになっていて、「これを見てくれ!写真を撮ってくれ!」と嬉しそうに話しかけてくれました。
【洋裁クラス・簡単なカバンを制作できるようになっている】
次に、木工大工訓練の様子です。主にウガンダ出身の元少年兵中心のクラスです。少しずつ実践的な家具作りにも挑戦していますが、今週は座学の授業が中心でした。
家具作りでは笑顔が弾ける楽しそうな場面もあるのですが、この日は講師が黒板にスケッチした家具の図面を必死にノートに書き写していました。
【木工大工クラス:座学の授業に集中する12期生】
【平和教育の授業の様子】
私たちの支援は職業訓練によって身につけた技術で収入を確保し、経済的に自立することが一つの目標です。
一方で、収入を上げるだけではなく、彼ら彼女らが訓練施設を卒業してコミュニティに戻った後に、社会とつながりを保ち、周囲と助け合いながら生きていくことも重要だと考えています。そのために、毎週金曜日には「平和教育」の授業を開講しています。仲間と協力して問題解決に取り組んだり、アンガーマネジメントに取り組んだり、そのトピックは多岐にわたります。
自立までの長い道のりの中では、さまざまな課題や困難が想定されます。一つひとつの課題、そして一人ひとりの状況に合わせて、着実に彼ら・彼女らが社会復帰に向けて歩めるようサポートを続けていきます。
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記事執筆
海外事業部 ウガンダ事業
田畑 勇樹