【児童労働反対世界デー】オンラインセミナー「ブルンジ:ストリートチルドレン“ゼロ”の未来を目指して」開催
【ブルンジの子どもたちとテラ・ルネッサンス職員】
6月12日は児童労働反対世界デーです。テラ・ルネッサンスが参加するCL-Net(児童労働ネットワーク)では、6月の1ヶ月間をかけて、児童労働の撤廃を訴える「レッドカードアクション」を行っています。
レッドカードアクションとは、国際労働機関(ILO)が世界的に展開するキャンペーンの一つで、児童労働の問題を伝え、問題解決に向けた取り組みの必要性を訴えかけることを目的とし、児童労働に反対する意思をレッドカードを掲げることで表明し、世界に広げるための取り組みです。
児童労働とは、15歳未満(途上国は14歳未満)の義務教育を受けるべき年齢の子どもが教育を受けずにおとなと同じように働くことと、あるいは、18歳未満が、危険で有害な労働や、最悪の形態といわれる労働に就くことであり、国際条約や法律で禁止されています。
テラ・ルネッサンスでは、この最悪の形態といわれる労働「子ども兵」の問題や、路上や公共の広場などの劣悪な環境の中で過ごし、働く子どもたち「ストリートチルドレン」の問題に取り組んでいます。
【職業訓練の様子】
そして先日は、レッドカードアクションの一環として、日本と世界の方々向けに、ブルンジにおける児童労働とストリート・チルドレン問題の実態と、テラ・ルネッサンスの取り組みを紹介するオンラインセミナーを開催しました。
ブルンジは、アフリカ中部の小さな内陸国で、長く続いた紛争のために今もなお国民の大多数は貧困の中で生活をしており、ストリートチルドレンを多く抱える国の一つでもあります。貧しくて食べ物がないので日中はお金を稼ぐしかない、病気などで両親を失ったため学費が払えないなど、様々な理由で学校へ行くことができない子どもたちが大勢います。学校へ通えなければ、読み書きや計算などの働くために必要な知識を得ることはできません。就ける仕事も限られ、貧困が更なる貧困を呼ぶ負のループが続いています。
さらに、路上での生活や労働は、常に病気や、虐待や性的暴行を受けるリスク、犯罪行為への参加のリスクなどと隣り合わせです。
テラ・ルネッサンスでは、一定年齢以上のストリートチルドレンや最貧困層、シングルマザーを対象に職業訓練や、訓練期間中の生活必需品の提供等、路上生活をせずとも収入が得られる環境づくり、また保護者の収入を安定させることで子どもたちが日中学校へ通える環境づくりを支援しています。
オンラインセミナーでは、そんな活動を第一線で行うブルンジ事業地の駐在員と現地スタッフから、ブルンジのストリートチルドレンの現状や、活動の内容とこれまでの成果、どのような想いで活動をしているかや活動をする上での課題などのお話がありました。そして、参加してくださった方々からも政府の政策やファンドレイジングについてなど質問があり、逆に職員から参加者に質問をしたり等、活発に意見交換されている様子が印象的でした。
テラ・ルネッサンスでは、ブルンジのストリートチルドレンをゼロにすること、そして子どもたちが生まれた環境や置かれた境遇に関係なく、健やかに楽しく学び過ごせる未来を目指して、今後も現場での活動と国際社会へ向けた啓発活動を続けていきます。
インターンからひとこと
幸運なことに私は、学校に行って勉強して、それ以外の時間はクラブ活動をしたり友達や家族と過ごしたり、そんな子ども時代を過ごすことができました。
日本で生活していると「ストリートチルドレン」や「児童労働」といった問題はあまり身近ではないと思います。ただ、海外に行くと路上で物を売っている子どもたちに出会うことが少なくありません。
何もできない自分に悔しくなるのと同時に「私がなにかしたところで何も変わらないし、、、」といつも思ってしまいそうになります。
ですが、1人1人がこういった問題について知り、小さくても行動すれば、少しずつでも良い方向に変わっていくと信じて、微力ながら活動をしています。
今この記事を読んでくださっている皆さんも、「児童労働反対世界デー」をきっかけに少しでも児童労働問題について関心を持ち考えていただければなと思います。
記事執筆/
国際運動推進部 飯田 菜月