【夏季募金2024キャンペーン企画】『明日へ。vol.1』

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【夏季募金2024キャンペーン企画】『明日へ。vol.1』

収入源になることを信じて、今日も明日も頑張っています

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『明日へ。』は、【夏季募金キャンペーン2024】の期間中に、お送りする特別連載ブログです。本シリーズでは、テラ・ルネッサンスに関わる人々(スタッフ、支援対象者の方々、支援者の方々)の願う「明日」をお伝えいたします。

今回、弊会カンボジア駐在員・津田がインタビューしたのは、カンボジア・オーチュラップ村に住む バック・ホーンさん。テラ・ルネッサンスが協働する農協※から家畜飼育支援を受け、これまで1年間ヤギの飼育に取り組んできました。

支援を開始する前のバック・ホーンさんは、多額の借金があり、複数のマイクロファイナンス機関や農協から10,000米ドル以上の借金をしていました。

カンボジアでは、換金作物の栽培が普及していますが 、天候不順や自然災害で全滅するリスクがあります。大規模栽培には資本が必要で、多くの村人は借金をして取り組んでいます。当初は高値で売れましたが、供給過多で価格が下落し、2016年頃から多くの村人が借金を抱えるようになりました。そのうちの1人がバック・ホーンさんです。

また左脚に障がいがあることもあり、これまで様々な農業にチャレンジをしてきましたが、家族が生活するための十分な収入を得ることができませんでした。

現地スタッフが彼と最初に出会った時は、表情も暗く、これからどうしていいか、途方に暮れている様子だったそうです。

現在では、ヤギのほかに鶏の飼育にも挑戦しています。ヤギの飼育が収入につながると理解して、頑張って続けてくださり、表情も以前より明るくなりました。

※協働内容はこちらをご覧ください。
https://www.terra-r.jp/blog/20231003.html

※換金作物:農家が自分の家で食べるためではなく、売ってお金にすることを目的に生産する作物のこと。トウモロコシやキャッサバなど。キャッサバはイモの一種で、タピオカの原料になる。

ヤギ飼育をはじめ、家族の生活をよりよくするために収入源の多様化に挑戦するバック・ホーンさんのインタビューをぜひご覧ください。

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【農協職員によるヤギの治療に立ち会うバック・ホーンさん(右)】

【テラ・ルネッサンスを知ったきっかけ】

(津田)テラ・ルネッサンスを知ったのはいつですか?

(ホーンさん)テラ・ルネッサンスが支援のため調査に来た時です。去年の農協の年次総会でも、テラ・ルネッサンスのスタッフが来ているのを見ました。

(津田)その時に、テラ・ルネッサンスと農協から家畜飼育支援の説明を受けたんですよね。収入を得て借金を返していくために、支援に参加することにされたんですね。

【テラ・ルネッサンスの支援について】

(津田)家畜飼育支援で1年間ヤギを飼育されてきましたが、いかがですか?

(ホーンさん)問題ありません。楽しんで育てています。ヤギが犬に噛まれてしまうことがあるのは困りますが、犬は怒りっぽい動物なので、仕方がないです。

(津田)ヤギの飼育で大変なことはありますか?

(ホーンさん)ヤギは小食なので、餌の草を探すのが楽で助かります。草を刈りに行く時もあるし、ただヤギたちを草むらに放す時もあります。大変なのは、雨の時です。雨の日はヤギは外に出たがらないので、雨が止んだ時を見計らって、草を刈りに行ってあげないといけません。

(津田)一日中雨の日はどうするんですか?

(ホーンさん)1日中雨でも、大雨でも、ヤギのために草を刈りに行きますよ。

【テラ・ルネッサンスの支援に関わって変化したこと】

(津田)ヤギを飼育し始めて変わったことはありますか?

(ホーンさん) 毎日ヤギの世話で草を刈りに行ったり、ヤギが病気やケガをした時は対応したりしているので、より活動的になりました。また、どうやったらヤギがたくさん増えるか、つまり、どうやったら収入を上げることができるのかを、よく考えるようになりました。ヤギがたくさん増えれば、その分売った時により多くの収入になるためです。そしてそれは、私たち家族の生活をよりよくしてくれます。


【テラ・ルネッサンスと関わり続ける理由】

(津田)これまでの1年間はヤギ飼育、そして今後は鶏の飼育も始めますが、私たちの支援事業に関わり続ける理由はなんですか?

(ホーンさん)家畜を飼育し続けるのは、家畜達が収入になって、私の家族を支えることができるからです。家畜が売れなかったとしても、自分たちで食べることもできます。自分には特別なスキルはないし、左足も不自由です。年も取っているので、会社で働いたり新しいビジネスをすることもできません。だから家畜の飼育は、そんな私でも続けられる、家族を養う一生涯の仕事になるでしょう。


バック・ホーンさんの奥さん、ローンさんにもインタビューをしてみました。

(津田)ヤギを飼育し始めて良かったことと、大変だったことはありますか?

(ローンさん)私たちの家は土地が狭いので、特別なものを植えなくても草ならなんでも食べるヤギは、手がかからず助かります。ヤギたちの食べ物を探しに遠くに行く必要もありません。これは、足が不自由な夫にとっては非常にありがたいことです。また私も、病気で片腕を動かすことができず、農作業などの力仕事は難しかったのですが、ヤギの飼育は無理なく行えます。大変なことは、近所の犬が私たちのヤギを噛みに来ることです。犬がきたらすぐに追い払えるように、夫は昼間3時間もヤギたちを見張っていなければなりません。

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【ローンさん(左)、バック・ホーンさん(右)】

【明日に向かって頑張っていること】

津田)明日も家族みんなが健康でいられるために、今日何をしますか?

(ローンさん)今日たくさん食べること、家族全員のお世話をちゃんとすることです。

(ホーンさん)
ヤギの飼育を頑張れば、近い将来収入源になることを信じて、今日も明日も頑張ります。

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【テラ・ルネッサンススタッフ(左)、ローンさんとお孫さん(中央)、バック・ホーンさん(右)】

【インタビューを終えて】

バック・ホーンさんたちは、ヤギの飼育を積極的に頑張っている家族です。テラ・ルネッサンスのスタッフが彼に最初に会ったときは、多額の借金もあり、どうしたら収入を得られるのかもわからず、途方に暮れている様子だったそうです。現在は、ヤギが犬に噛まれるなどの問題はありますが、まだヤギが収入源にはなっていないにも関わらず、投げ出さずに熱心に飼育を続けてくださっています。

自分では「何のスキルもないから…」と謙遜しながら、インタビュー中に近所の人が金属製のブレスレットの修理をお願いしに来てパパッと修理してあげたり、他の近所の人がただお茶を飲んで座りに来たりして、器用で人望のあるご夫妻なのだと感じました。

まだこれから直面する困難はあると思いますが、より良い明日のために、確実に1日1日を過ごしているバック・ホーンさんたちが、ヤギや鶏の飼育をちゃんと収入に繋げていけるよう、テラ・ルネッサンスや農協として、サポートしていきたいと思います。


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テラ・ルネッサンスでは、7月1日から8月30日まで、夏季募金キャンペーンを実施しています。元子ども兵社会復帰支援と帰還支援活動などをはじめテラ・ルネッサンスが継続していくために、この期間に【1800万円】のご寄付を必要としています。
 
ぜひ、よりよい「明日」へと近づく支援に、寄付という形で、皆さまにご協力いただけますと幸いです。

 

<夏季募金キャンペーンについて詳しくはこちらをご覧下さい>
https://www.terra-r.jp/kakibokin2024.html
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記事執筆/
啓発事業部・アルバイト
草野友那

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