【カンボジア】ロカブッス村✖️東明館高校のプロジェクトが完了しました

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【カンボジア】ロカブッス村✖️東明館高校のプロジェクトが完了しました

【2024年7月 活動レポート/カンボジア】

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カンボジアのバッタンバン州ロカブッス村では、村の脆弱層に家庭菜園や家畜飼育の支援を行っています。さらに、2016年からは村内で生産した野菜や家畜を販売するための、ファーマーズ・マーケットを村の大学生が運営するサポートをしてきました。

そんなロカブッス村ファーマーズ・マーケットで実施する新しいプロジェクトを、佐賀県の東明館高校の生徒さんたちが考え、実行してくれました!

生徒さんたちが、1年かけて考え、実行したプロジェクトの様子をお伝えします。

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農協が地域の脆弱な世帯に飼育支援をしているねずみ豚。

プロジェクトを実施した東明館高等学校探求コースの皆さんは、「高校生による社会課題解決講座」で、約1年間、毎週4コマの授業時間を使って、日本、タイ、カンボジア、ラオスの政治・経済状況、歴史や文化について学んできました。そして、それぞれの国が抱えている社会課題について、解決のために考えた事業を提案・プレゼンし、何度も改善を重ねてきました。

そこで生まれたのが、2つのプロジェクトです。

1、ロカブッス村ファーマーズ・マーケット改装プロジェクト

ファーマーズ・マーケットには、看板などがなく、通りがかりの人には何か売っている場所なのかどうかわかりにくい。そこで、看板を設置し、人目につく明るい色に外壁を塗り直す。より集客ができるよう、新しい商品(シェイクや子どもたち向けのアイスキャンディ)を開発する。これにより、村内の経済に貢献する。

2、作物栽培用有機発酵液*の普及プロジェクト

カンボジアでは、農薬の使用による健康被害が深刻で、ロカブッス村でも、ヒトや家畜に被害が出ている。そこで、ファーマーズ・マーケットで製造している作物栽培用有機発酵液(以下有機発酵液)の効能を村人に理解してもらうため、これを使って育てた野菜を使って昼食を作り、村人に昼食を提供する。昼食後、有機発酵液の効能についてのワークショップを開催する。これにより、農薬の過剰使用による村人や家畜への健康被害や環境破壊を削減する。

*作物栽培(稲、野菜、果物栽培)用にマンゴー、パイナップル、パパイヤ、バナナ、ジャックフルーツ、ココナッツジュースと糖蜜を発酵させて作った液肥です。

そして2023年8月から、カンボジア事務所のスタッフも交えて、実際にプロジェクトを実行する準備が始まりました。同時並行で、高校生たちは、プロジェクトのためにクラウドファンディングを立ち上げ、23名もの方から約15万円の活動費の呼びかけに成功しました。

その後も、看板のデザインをロカブッス村の大学生と話し合ったり、昼食のメニューを決めたり、購入物の見積に調達にと、大忙しの日々を送りました。ロカブッス村の大学生たちも、日本の高校生からアイディアをもらって刺激を受けたようでした。

2024年2月、ついに現地訪問。

38度を超える猛暑の中、高校生が懸命に動いてくれたおかげで、予定していたことを全て終えることができました!その様子を写真でご覧ください。

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ロカブッス村のモデルファームで、昼食に使う野菜を収穫する高校生たち

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村人に昼食を提供する様子。
ファームで採れた野菜と村の人が育てたヤギを使ったヤギカレーを作りました。まさに地産地消。
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【高校生と村の大学生でデザインした、ファーマーズ・マーケットの看板】

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作物栽培用発酵液について学んだロカブッス村の人たちと、講師の農業専門家(中央)

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壁の塗り替えで生まれ変わったマーケット

現地訪問が終わってからも、マーケットでの売上向上を目指し、月に一度、現地と繋いでフォローアップミーティングをすることになりました。

ミーティングでは、新商品のアイスキャンディの販売や、毎月の売り上げを見ながら次月の施策について、村の大学生と意見交換を重ねました。

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アイスキャンディを試食して嬉しい様子の村の子どもたち

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カンボジア式のアイスキャンディ。
小学校の子どもたちが毎日買いに来ている。

売上としては、目標としていた数字には届かなかったのですが、ファーマーズ・マーケットを管理している村の大学生が、「次の3ヶ月では、このくらいの売上を目指したい」と自ら計画を考えて言ってくれたことは、これまで彼女にマーケットの販売計画の立て方を指導してきたテラ・ルネッサンスのスタッフとしては、とても嬉しいことでした。

彼女自身も、このプロジェクトについて、次のように感想を述べていました。

“ロカブッス村の一員として、ファーマーズ・マーケットのスタッフとして、ロカブッス村の売店を支援していただきありがとうございました。元々マーケットの商品が少なかったり、資金が少なかったりと課題が多かったので、ご支援いただけたことに感謝しています。”

最後に、カンボジアのプロジェクトを実施した高校生の感想を紹介します。

“このような活動を始める前は、国際問題にはあまり興味がなく、「高校生」という立場ではなにもできない。そう思っていました。 しかし、その固定概念を払拭してくれたのがこの活動でした。カンボジアのことについて調べ、プロジェクトを自分たちで考えていくにつれて、興味や関心が高まっていき、この問題をどうにかして解決したいと思うようになりました。
  (中略)
困難なこともたくさんありましたが、現地の方々の笑顔を見ることができ、「今後の売店が楽しみ」というお言葉までいただけて胸がいっぱいになりました。 また、「高校生」という立場でもここまでやり遂げることができるのだと気がつくことができ、達成感がありました。 

  (中略)
私の将来の夢はこのような活動を元に各国の国際問題を発信できるアナウンサーになることです。 世界各国にはまだまだたくさんの問題があります。 この活動をここで終わらせるのではなく、啓発活動にも力を入れていきたいと思います。 “

テラ・ルネッサンスのスタッフも、支援の現場を常に新しい目線で見つめ直す重要性を学びました。日々、現場のニーズを調べ、真剣にプロジェクトを考え、実行していますが、その中で、固定された考え方になってしまうこともあります。高校生たちが真剣にカンボジアやカンボジアの課題について勉強し、分析して考えたアイディアは、きちんと課題解決に繋がりながらも、斬新なものに聞こえました。さらにそのアイディアを実行して、実際に直接的・副次的な効果が出ていることは、現場と高校生たちの相乗効果であるとも言えるでしょう。ある課題が解決されるには、たくさんの方法があります。新しい知識を日々取り入れ、多様なセクターと協力しながら、柔軟な発想で考え実行していきたいと思います。

記事執筆

海外事業部 カンボジア事業

津田

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