【ウガンダ】試行錯誤を繰り返し、少しずつ前進する
【2024年7月 活動レポート/ウガンダ】
今月は、昨年度からウガンダ北東部カラモジャ地域における灌漑農業を通した自立支援プロジェクトについてお伝えします。
カラモジャ地域では2022年度、干ばつ・ウクライナ戦争による物価高騰などの様々な要因があいまって、多くの人々が餓死している状況にありました。
このような背景の中で開始した本事業の目的は、灌漑設備を導入することにより地域住民が自らの力で安定して農業ができるようになることです。
・農業技術の習得
2年目に入った今年度も、農家グループによって差はあるものの、安定的に主要穀物や野菜を収穫することができています。
昨年は思うように成長しなかったナスですが、今シーズンはカラモジャの環境により適した品種を作付けしたところ、収穫量が倍増しました。
【スクマウィキの収穫】
また今年度初めてチャレンジをしたスクマウィキ(葉物野菜)も、順調に成長し、収穫を迎えています。
これには、住民たちも大喜び。ナスやスクマウィキは一定期間継続した収穫が見込めるため、販売による現金収入の獲得だけでなく自家消費による栄養改善にもつながります。
・基礎教育
事業を進めていく中で直面した最も重大な課題の一つが、生産・管理・販売の記帳です。
私たちの支援対象者のほとんどは学校教育を十分に受けておらず、文字の読み書きができません。
そのためせっかく農産物を収穫・販売できても、正確な売上の記録などが取れないとビジネスの運営上、困ります。またお金の問題は、メンバー内の争いの種になります。
今は私たちテラ・ルネッサンスのスタッフが力を貸していますが、将来的に活動を継続していくのは農家グループ自身です。
そのため、先月から簡単な文字の読み書き・計算スキルの習得を目的とした基礎教育をスタートしました。黒板一つで村を周り、青空教室のように授業を展開しています。
住民の中には、貧困から学校に通えなかった若者たちがたくさんいます。彼らは今、目を輝かせながら意欲的に学んでいます。
【基礎教育 アルファベットの模写】
近い将来、農家グループの中で基礎教育を学んだメンバーが、帳簿の記録などでグループを支える存在になってもらえるよう、丁寧な支援を続けていきます。
課題は常にありますが、急ぎすぎず、彼ら彼女らのペースに合わせながら、試行錯誤と小さな改善を積み重ねつつ事業を進めていきたいと思います。
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記事執筆
海外事業部 ウガンダ事業
カラモジャ事務所長 田畑勇樹